日韓問題について考える(27)。「尹氏の反日活動に手を貸した日本の支援者も、まんまと利用されていたことになる」。

5月14日の『産経抄』より。

元慰安婦の李容洙さん(91)が先週開いた記者会見が発端である。反日団体『日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯』(正義連)を厳しく批判した。正義連が日本大使館前で毎週開いている集会は、「憎悪を教えるだけ」と主張する。30年にわたって活動をともにしてきた正義連の前理事長の尹美香にも矛先を向ける。4月の総選挙で初当選した尹氏は、「国会議員になるために私を利用した」と言うのだ。これに対して尹氏も『高齢による記憶違い』と反撃する。2015年の日韓合意に基づく現金支給に応じないよう、李さんとは別の元慰安婦に圧力をかけた。国民から集めた多額の寄付金の大部分が使途不明である。反日反米を掲げながら娘を米国留学させ、その資金の出どころもわからない。尹氏の夫とその妹はかつて北朝鮮の工作員と接触した罪で有罪判決(後に一部無罪)を受けている。あらためて尹氏と北朝鮮との深いつながりもクローズアップされている。李さんの主張が正しければ、元慰安婦だけではない。尹氏の反日活動に手を貸した日本の支援者も、まんまと利用されていたことになる

以下他のメディアで報道されている当事者の発言について紹介します。

元慰安婦  李容洙(91)さんの発言

「募金が被害者のために使われていない」「国会議員になるために私を利用した」「尹美香氏は政治的、個人的目的のために自分たちを利用してきた」「学生たちが慰安婦のために出した義援金はどこに使われているのかもわからない。現金が入ってくることを知ることはできないが、義援金や基金などが集まれば被害者に使うべきなのに、被害者に使ったことはない」 「学生たちが尊いお金と時間を使っているのに、集会は憎悪を教えている」「学生たちに良い影響を与えず、集会はなくすべきだ」「集会への参加学生からの募金はどこに使われるか分からない」「30年間にわたり騙されるだけ騙され、利用されるだけ利用された」「来週から水曜集会に参加しない。集会は学生たちに苦労させ、わずかばかりの金だけをなくさせ、まともな教育にもならない」「尹美香代表は私欲のため的外れなところに行った」「慰安婦問題は挺対協代表だった尹氏が来て解決しなければならない。尹氏は国会議員をしてはならない」『Remember Her 』について「内容検証がきちんと行われずに出版されて販売されている」「2015年の韓日合意当時、10億円が日本から入金されたのを尹代表だけが知っていた。外交部も責任がある。被害者がその事実を知るべきなのに、彼らだけが知っていた」「当事者(元慰安婦)の意見も聞かず、日本との協議を拒否している」「挺対協は本人に確認もせず、事実と異なる証言集を出した」

日帝強制動員被害者団体の発言

「破廉恥な人間が院内に入るのに絶対に反対する」「国会議員を辞退するよう要請する」「少数の慰安婦を懐柔し、反日に逆利用した」「尹氏は腹のなかまで反米・反日運動の先鋒大将なのに、娘は米国に留学させている」「ネロナムブル(自分のことは棚に上げて、他人を非難すること)」

尹美香氏  正義連前理事長、国会議員の発言

「李さんから支持されている」「(李さんの話は)全部でたらめだ」「李さんの記憶が以前とは変わった」「(政府から相談は)なかった」「日韓合意について前日連絡を受けたが、核心的な内容はなかった」「被害者らの意思も全く聞かれなかった」「高齢で記憶違いしている」

イ・ナヨン正義連理事長の発言

「個人的な資金横領や流用は決してない」「毎年、弁護士や公認会計士から会計監査を受け、問題ないとの意見をもらった。ただ、国税庁システムの公示入力で若干のミスがあったが、国税庁の再公示命令に従って正しく直す」「我々の透明性を再び立証し、悪意的な歪曲報道に対応するため、多数の公認会計士から寄付金の使途について検証を受ける」「一部メディアの悪意的な歪曲報道は市民社会全般に対する弾圧」「もっと大きく連帯し、力強く行動していく」

中国共産党政府との関係を見直そう(85)。「戦後」の世界について考える。日本の役割。

産経新聞(5月14日)掲載の《コロナ  知は語る》の紹介です。詳しくは産経新聞をお読みください。

対中依存の低下       日本は影響力行使を   

 (東大教授  松田康博氏)

ー中国が新型コロナのパンデミックの発生源となった責任の回避に躍起だ。東大東洋文化研究所の松田康博教授はその姿勢を『政治宣伝は逆効果』と断じる一方で、日本にとっては中国に対して影響力を行使する機会とも見るー

中国の政治宣伝工作は逆効果

「習氏は今後、外遊先が限られ、感染収束後もしばらく日米欧には訪問できないだろう。『感謝』を演出する中国当局の外交努力は、習氏の権威維持を目的とした内向きな工作にすぎず、責任回避をめざす政治宣伝は逆効果だ

日本はどのように対応して行くべきか

「感染収束に伴い、第三次世界大戦が起きて戦後を迎えたかのような、次の世界秩序の形成が始まる。日本が『米中のどちらか』と選択を迫られた場合、安全保障なら明確に米国だだが経済では政策手段が多い。(米国を除く)11カ国で発効した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のような国際的な枠組みを日本がリードし、米国を呼び戻す努力をすべきだ。日本は仲間を広げて存在価値を示した上で、中国と協力を図る方が良い

日本が存在感を高めるには

「民主主義社会が新型コロナの感染を抑えるのにてこずる中で、権威主義の中国が成功したとする言説は大きなパワーを持ちかねない。それをまず抑止するため、日本が民主主義社会の成功例として台湾と韓国に続き、感染を抑え込むことが重大なカギを握る

「経済的な対中依存度の高さに警戒を強める国も増えている。武器、航空宇宙などの産業に加え、ハイテクや医療の分野でも、中国のへの企業の進出が制限され、グローバリゼーションに一定の逆転現象が起きる。中国は外資系企業の撤退を防ぐのに必死であり、日本は受け身ではなく、中国の政策に影響を与えるべきだ。中国と欧米の間の仲介や国際ルールの形成に全力をあげて欲しい」

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