中国共産党政府との関係を見直そう(76)。「戦後」の世界について考える(13)。中国共産党政府に未来はあるか?

共産党は崩壊する運命にある

ー長谷川慶太郎『中国は民主化する』(2020.3.26初版)よりー(2) 氏は2019年9月3日、91歳で他界されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

共産党は崩壊する運命にある

「そんな共産党による一党独裁体制はいつまで続くのか。繰り返しになりますが私はそう遠くない時期に、中国共産党による一党独裁体制は崩壊するだろうと考えております」「国民が安心して暮らしている間は、共産党支配に対して誰も文句は言いません。しかし、中国経済が大きく落ち込んだらどうでしょう。インフレが進むなどして食べ物が手に入りづらくなり、国民の生活が不安定になった途端、中国全土で暴動が起きると私は予想しています。これまで賄賂や汚職でいい思いをしてきた共産党員に対する不満がここで一気に爆発すると思うのです」

中国は大混乱をきっかけに変化する

「貧しい人々による共産党に対する不満は、溜まりに溜まっています。すでに今、中国各地では暴動が頻繁に起きています。それを地元警察や300万人の武装警官が抑え込んでいるのが現状です。しかし、いずれこの暴動は中国全土に一気に広がることが考えられます。そうなれば、武装警官でも手がつけられず、収拾できない状態に陥るでしょう。そうなると人民解放軍の出番となります。ですが、これまで汚職摘発で手痛い仕打ちを受けてきた人民解放軍が、素直に習近平の命令に従うでしょうか。人民解放軍が従わなければ、暴動は鎮圧できません。暴徒が中国のすべての街を荒らすことが目に見えています。私はこうした大混乱をきっかけに、中国は分裂し、民主国家に変わると考えております」「共産主義は決して人を幸せにしません。共産党は人類の歴史から消え去る運命にあるのです」

7つの軍区で国家は分かれる

「中国は近い将来、間違いなく分裂します。どのように分裂するか。私はかつての人民解放軍の7つの軍区(瀋陽、北京、蘭州、済南、南京、広州、成都)ごとに、国家が分かれるのではないかと予想しています」「そして分裂した7つの国家は互いに利権を主張し、それが原因で中国は内戦状態になると睨んでいます」

本質を見抜けば予想はできる

「中国経済の立て直しは、中国共産党が考えるほど生易しいものではないはずです。今中国は、多くの矛盾が吹き出し、中国経済は間違いなく崩壊に向かっていると思います。ソ連崩壊を予想した私です。この予想に狂いはありません」

〈詳しくは長谷川慶太郎氏の本を読んで頂きたいと思います〉

中国共産党政府との関係を見直そう(75)。「戦後」の世界について考える(12)。中国共産党政府に未来はあるか?

中国経済は瀕死の状態

共産党の崩壊は時間の問題

ー長谷川慶太郎『中国は民主化する』(2020.3.26初版)よりー(1)氏は2019年9月3日、91歳で他界されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

中国政府発表の統計はインチキ

「まず、指摘しておきたいことは、共産主義国家である中国当局が発表するここ数年のGDP統計はインチキだという点です。中央政府はGDP成長率が6.0%台をキープしていると発表していますが、実態はもっと低い数字、具体的には2〜3%、悪ければマイナスではないかと私は見ています」

国家財政の悪化》ー国有企業の限界、在庫の山・粗悪な品質ー

「生産規模を縮小している代表格には鉄鋼メーカーが挙げられます」「鉄鋼会社は赤字続きのゾンビ企業が多く、こうした企業は本来なら倒産させないといけません。しかし、いまだ本格的な倒産ができません。生産調整がうまくいっていないので、鉄鋼はもちろん、セメントなど産業資材についても在庫の山が形成されています」「資本主義の企業なら、普通、こうした事態になったら生産調整するでしょう。しかし、中国の大手鉄鋼メーカーは国有企業であることから、それができないのです。国有企業で働いている労働者をリストラするのも、ご法度となっています」「全国人民代表大会で決定した経済成長率の達成を目指して、中国企業は生産を増やさなければなりません。中国にとっては成長率がすべてですから、作っている製品・商品が売れようが売れまいが、それは関係ありません」「国有企業が作る製品は売れないのに、どうして生産するのでしょうか。それは前述したように中国は『計画経済』だからです。そこに共産主義の矛盾があります」「共産主義の下、中国は多量な不良在庫を抱えてきましたが、それはもう限界を超えています。物が売れていないのに、従業員には給与を払わないといけないならば、企業はその分、赤字になります。赤字はこれまで国家が補填してきましたが、これが国家財政悪化の元凶となっています」

高い失業率

「ではいったい、中国全体の失業率はどれくらいなのでしょうか。正確な数字は出ていませんが、私は全労働者の約40%と見ています。地方都市だとあるいはもっと高いかもしれません。ちなみに東北三省だけでも大体1億人ぐらいの失業者がいると言われています。これは、ほぼ日本の人口に匹敵する規模です」

多額の借金》GDPの6倍以上の借金、返済地獄

「現在、中国の負債総額はいくらあるのでしょうか。いろいろな数字が出ていますが、私はGDPの約6倍の借金が中国にあると見ています」「現在、中国政府はこれにはあまり触れず秘密にしていますが、風船が破裂する寸前のようです」

所得格差

「鄧小平は『先富論』を唱えていました。これは『先に豊かになる者はなれ。そして豊かになった者が、貧しい者を助ければいい』というものです。しかし中国では、先に豊かになった者は貧しい者に手を差し伸べませんでした。『先富』から『共富』への調整がうまくいっておりません。豊かになった者は、より豊かになり、貧乏人はさらに貧乏になっただけでした。本来、共産主義国家では、国民は平等であるはずです。つまりジニ係数はゼロに近くなければなりません。しかし不平等感が今、中国市民の間に広まっています」「ですから共産党の崩壊は、時間の問題だと私は考えております」

〈詳しくは長谷川慶太郎氏の本を読んでいただきたいと思います〉