今、注目の共産主義について考える(110)。「習近平独裁に異変」〜石平氏〜

月刊誌「WiLL」9月号に石平氏の「緊急報告、習近平独裁に異変!」と題する寄稿文がありました。

《嫌われ者の習近平》

・「習近平が推し進める個人独裁化は鄧小平以来守られてきた集団的指導体制の否定に他なりません。つまり、習近平は毛沢東時代に時計の針を戻そうとしているんです。この動きに、共産党内部から不満の声が聞こえるのは当然です」

・「さらに一般民衆レベルでも、習近平に対する不信が募っています。その理由は簡単で、国家主席に就任して5年半、目立った業績を何も残していないからです」

・「飛び抜けたカリスマ性を備えているわけではありません。鄧小平のような業績も、毛沢東のようなカリスマ性もないまま、その二人に肩を並べようとする傲慢さに、国民は呆れています」

・「全国各地で、警察が習近平の肖像画や写真ポスターの撤去を指示しています」

・「6月末、待遇に不満を持った退役軍人による大規模なデモも行われましたが、現体制への不満を象徴する出来事が相次いで発生しているのです」

《米中貿易戦争が引き金に》

・「共産党内部と一般民衆の不満、習近平の肩に重くのしかかる『時限爆弾』はいつ爆発するのでしょうか。米中貿易戦争が、その引き金になると思います」

・「2017年、中国の対米輸出額・約4200億ドルに対し、アメリカの対中輸出額は約1500億ドルにすぎません。中国に勝ち目がないのは明らかですが、『無謀な戦争』を防ぐ手立てを、習近平は怠ってきました」

《習近平引退までのシナリオ》

・「米中貿易戦争による経済への打撃は現政権に叛旗を翻す『大義名分』になり得ます。共産党幹部と、胡錦濤など引退した長老たちが立ち上がるかもしれません」

・「2020年、秋の共産党大会で習近平が引退に追い込まれるでしょう」

・「9月までに米側の攻勢、2000億ドル分の追加関税の発動を阻止することが最重要課題で、その如何に共産党自体の存亡が懸かっています」

・「習近平があらゆる手段を使って巻き返しを図る可能性は否定できません。ただ、それは血で血を洗う政治闘争を意味します」

以上勝手に要約しました。また7月30日付の産経新聞も、

「内憂外患の習政権  正念場」との見出しで、「今月19日から中東・アフリカを歴訪していた中国の習近平国家主席が29日帰国した。外遊中に欠陥ワクチンの大量摂取事件が発覚したほか、北京の米国大使館付近では爆発事件が発生。米国との貿易摩擦問題でも効果的な手を打てない中、中国共産党の内外で習氏への不満が表面化しつつある。内憂外患を抱える習氏は間もなく、正念場の党重要会議、北戴河会議に臨む」と伝えています。

IMG_6012

今、注目の共産主義について考える(109)。中国の野望は成功するのか?失敗するのか?

中国の野望について産経新聞田村秀男編集委員は、

「2012年秋に中国の最高権力者となった習近平氏は『偉大な中華民族の再興』を掲げた。25年にはハイテクの全面的な国産化を達成し、35年には国内総生産(GDP)で米国を抜いて世界一になる目標を立てている。軍事面でも南シナ海の岩礁を占拠して埋め立て軍事基地を建設している。ユーラシア大陸とその周辺までを包含する現代版シルクロード経済圏構想『一体一路』をぶち上げ、高利の借款を供与してアジア各地で港湾などのインフラを建設し、相手国が払えなくなると“接収”する帝国主義路線だ」と解説しています。

長谷川秀行氏の“一筆多論”(産経新聞)によれば、

「習近平政権が掲げる『中国製造2025』は、先端技術の国産化を進め、世界トップの製造強国を目指すものだ。軍事力強化と結びつく国家戦略」だという。中国はその国家戦略を達成するため、世界最先端技術の獲得に躍起になっているという。

これに対して米国は、「米国が中国からの買収攻勢を警戒するのは当然だろう」とし、すでに中国を念頭に「米企業買収で先端技術が海外に流出するのを防ぐ」ため、「外国資本による自国企業への投資について規制強化に動いている」という。日本も「昨年10月、改正外為法を施行し、国の安全の観点から外国企業が取得した株式の売却命令を出せる制度を導入した。ただ、それで十分かどうかは引き続き政府内の検討課題となっている」という。

長谷川氏は投資規制に止まることなく、「日米欧が対中関係で連携すべき分野は他にもたくさんある。デジタル情報の国家管理を強める中国型のデジタル保護主義にどう対抗するか。インフラ輸出で途上国に過剰債務を負わせて自らの勢力圏を広げようとする動きをどう阻むか」という課題にも取り組む必要を訴えています。

中国の野望は成功するのか?それとも日米を中心とする西側諸国の動きによって失敗に終わるのか?北朝鮮問題とともに大いに注目するところであります。

 田村編集委員は、

「『米中戦争』とかけて、米映画『ジュラシックパーク』シリーズ第1作と解く。巨大な富と技術を持つ米国が昔、消滅した『中華帝国』という恐竜を再生、繁殖させたところ暴れ出し、封じ込めに転じるというのが、トランプ政権の対中強硬策だからだ。今、上映中のシリーズ最新作は、恐竜を再絶滅の危機から救おうとする物語のようだが、さて、眼下の米中ドラマはどうなるのか」と書いています。