中国の野望について産経新聞田村秀男編集委員は、
「2012年秋に中国の最高権力者となった習近平氏は『偉大な中華民族の再興』を掲げた。25年にはハイテクの全面的な国産化を達成し、35年には国内総生産(GDP)で米国を抜いて世界一になる目標を立てている。軍事面でも南シナ海の岩礁を占拠して埋め立て軍事基地を建設している。ユーラシア大陸とその周辺までを包含する現代版シルクロード経済圏構想『一体一路』をぶち上げ、高利の借款を供与してアジア各地で港湾などのインフラを建設し、相手国が払えなくなると“接収”する帝国主義路線だ」と解説しています。
長谷川秀行氏の“一筆多論”(産経新聞)によれば、
「習近平政権が掲げる『中国製造2025』は、先端技術の国産化を進め、世界トップの製造強国を目指すものだ。軍事力強化と結びつく国家戦略」だという。中国はその国家戦略を達成するため、世界最先端技術の獲得に躍起になっているという。
これに対して米国は、「米国が中国からの買収攻勢を警戒するのは当然だろう」とし、すでに中国を念頭に「米企業買収で先端技術が海外に流出するのを防ぐ」ため、「外国資本による自国企業への投資について規制強化に動いている」という。日本も「昨年10月、改正外為法を施行し、国の安全の観点から外国企業が取得した株式の売却命令を出せる制度を導入した。ただ、それで十分かどうかは引き続き政府内の検討課題となっている」という。
長谷川氏は投資規制に止まることなく、「日米欧が対中関係で連携すべき分野は他にもたくさんある。デジタル情報の国家管理を強める中国型のデジタル保護主義にどう対抗するか。インフラ輸出で途上国に過剰債務を負わせて自らの勢力圏を広げようとする動きをどう阻むか」という課題にも取り組む必要を訴えています。
中国の野望は成功するのか?それとも日米を中心とする西側諸国の動きによって失敗に終わるのか?北朝鮮問題とともに大いに注目するところであります。
田村編集委員は、
「『米中戦争』とかけて、米映画『ジュラシックパーク』シリーズ第1作と解く。巨大な富と技術を持つ米国が昔、消滅した『中華帝国』という恐竜を再生、繁殖させたところ暴れ出し、封じ込めに転じるというのが、トランプ政権の対中強硬策だからだ。今、上映中のシリーズ最新作は、恐竜を再絶滅の危機から救おうとする物語のようだが、さて、眼下の米中ドラマはどうなるのか」と書いています。