『歴史の解釈は「政治」や「運動」によるものではない』(加藤康子・産業遺産情報センター長)
9月20日付産経新聞正論『産業情報センターと朝日新聞』(産業遺産情報センター長、加藤康子氏)より、一部を紹介します。女性活躍にますます期待したくなりますね。
つまるところ端島に関しては、朝日の主張するような、朝鮮半島出身者が、奴隷労働を強いられたと証明するような裁判事例も政府の公文書も存在しない。・・・
情報センターでは今後、端島の炭鉱事故について、誠実な事故の記録があるものを、その時の記事や当事者の手記などを紹介していきたいが、あったかどうかも立証できない、あやふやな情報で島民の人権を侵害することはできない。証拠もないのに一般論を端島に当てはめるような安易な発想は間違いである。歴史の解釈は「政治」や「運動」によるものではなく、一次史料や証言を基本としなければならない。歴史においては思想や正義の押し付けは危険である。歴史には百人の研究者がいたら、百人の解釈がある。情報センターの役割は正確な一次史料や証言を提供することであり、解釈は個々の研究者に委ねるべきだと思っている。情報センターがその「あり方」を改めることはない。
と、正論を述べておられます。かつて河野洋平氏は、事実を確認せずに(未だに事実確認はされていません)一部の慰安婦と称する人の証言を鵜呑みにして、慰安婦の強制性を日本政府が認めたかのような誤解される軽率な発言をしました。今ではこの河野発言が、慰安婦の強制性の根拠として逆に利用されています。加藤康子氏の『歴史の解釈は「政治」や「運動」によるものではない』という指摘は肝に銘じなければなりません。