中国共産党政府との関係を見直そう(108)。米国に亡命した中国の人権弁護士ー産経新聞よりー

令和2年8月28日(金)の産経新聞記事を紹介します。

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 「3日目を迎えた26日の米共和党全国大会で、中国当局から弾圧を受けた盲目の人権活動家、陳光誠氏が演説した。陳氏は『中国共産党は人類の敵だ。自国民を恐怖に陥れ、世界の幸福を脅かしている』と訴え、厳格な政策で中国に態度変更を迫るトランプ大統領への強い支持を表明した。陳氏は中国山東省出身の弁護士で、人口抑制関連法(一人っ子政策)に基づき同省で行われていた妊婦の強制堕胎に関し、2005年集団訴訟などの抗議運動を展開して実刑判決を受け、服役後に自宅軟禁された。12年4月に自宅から脱出して北京の米大使館に保護された後、同年5月に米国に出国し、事実上の亡命生活を送っている。陳氏は『中国では、信条や思想について意見を表明することは中国共産党によって禁止されている。宗教や民主主義、人権への言及は監獄行きとなりかねない』と訴えた。陳氏はその上で、『米国は自由と民主主義、法の支配といった価値観に基づいて他の民主主義諸国を結束すべきだ』と指摘。『トランプ大統領はこうした取り組みを主導してきた。他の国々も中国との戦いでトランプ氏に合流してほしい』と訴え、『これは私たちの未来をかけた戦いなのだ』と強調した」。

中国共産党政府との関係を見直そう(107)。1月7日の習近平国家主席の指示とは?

産経新聞台北支局長の矢板明夫氏は評論家の石平氏との対談本『中国はどこまで世界を壊すか』(徳間書店)のなかで次のように述べています。

「習近平の1月7日の要求についてよく言われているのが、『武漢市で新型コロナウイルスの感染が起こっているみたいだけれど、春節に影響を与えないように、騒がないようにしましょう』といった、春節を優先するようなものだったということです。だから、それによって隠蔽がさらにひどくなったと囁かれています。もしも、『新型コロナウイルスにきちんと対応しなさい』と要求したとすると、武漢市はこれを2週間も無視したことになる。そんなことはありえません。だから、習近平は責任逃れのために、『1月7日に要求を出した』と言っているのですが、その内容自体が、感染防止を呼びかけるものではなかったということです」と。

習近平国家主席は、1月20日に『新型コロナウイルスと全力で戦う』という指示を出し、23日に武漢を閉鎖しました。しかし1月20日までなんの指示も出していなかったとすれば、無能な国家指導者という烙印が押されることとなるでしょう。常識的に考えても1月20日までなんの指示もしていないということはあり得ないことです。中国共産党は1月7日の共産党政治局会議で習近平主席はちゃんとコロナ対策の指示を出したと発表しています。国家主席として務めを果たしていると、言いたいのでしょう。しかし肝心なのは、何を指示したのかということです。指示の中身です。しかし今までどこのメディアも、このことに関する報道はありませんでした。中国共産党の機関紙『求是』では「(1月7日)習近平氏が政治局常務委員会議で『ウイルス事態を予防統制するために努力せよ』と指示を出していた」となっていますが、矢板明夫氏の本を読んで、むしろ真実は矢板氏の見解にあると思います。1月7日以降の武漢市の対応(李文亮医師へ口止めの警告、武漢市主催の万家宴開催、1月27日の武漢市長の記者会見など)を検証すると、矢板氏が言われるように、『騒がないようにしましょう』という指示内容だったとしか考えられません。なぜなら、中国共産党一党独裁政治のなかで、武漢市が習近平国家主席の指示に逆らうことは絶対できないからです。「だから、それによって隠蔽がさらにひどくなったのではないかと囁かれています」、もし矢板氏の言われることが真実だとすれば、一国の指導者としてはありえない大きな過ちであります。その後のパンデミックを考えると、中国共産党は新型コロナウイルスとどのように関わったのか、特に昨年の12月以降の動きについて一部始終、明確な説明が求められます。その責任があります。中国国民に、そして世界各国の人々に、明確な説明がなされてしかるべきであります。