朝鮮半島で何が起こっているのか?(5)。韓国は独裁国家?

韓国与党が国会に提出している法案で注目を集めているのは、

「歴史歪曲防止法案」

この法案は三一運動などに関する事実歪曲の禁止、日本帝国主義を称揚・鼓舞したりする行為の禁止、旭日旗などこれを象徴する軍事旗や造形物を使用する行為を禁止する法案で、違反すると最大10年以下の懲役又は2億ウオン以下の罰金となるようです。しかしこのような有無を言わせない、学術的な検証も許さない「歴史の強要」や「歴史の政治化」は極めて危険です。「独裁国家」が用いる手法です。心配ですね。ちなみに、

旭日旗についての日本の基本的立場 (外務省ホームページ)は「旭日旗の意匠は日章旗同様、太陽をかたどっており、大漁旗や出産、節句の祝い旗等、日本国内で現在までも広く使用されているものであり、特定の政治的・差別的主張である等の指摘は当たらない」です。

「言論仲裁法案」については、日本や世界からも批判が殺到しています。

米国記者協会(SPJ)キュービスケ議長 「民主主義国家でこんなことをする初の事例になるだろう。独裁国家はよくやることだ。極めて失望感を覚える」「米国ではメディアに対する訴訟のハードルがとても高く、法律の文言はとても具体的だ。ところが、韓国のこの法案は具体的ではない。それがとても恐ろしい」

仏ルモンド 「行き過ぎた法律の制定で多数党である民主党への信頼を脅かしている」

日本の毎日新聞 「軍事独裁時代、韓国メディアは厳しい検閲を受けていた。国による言論統制を批判し、民主化を求めて戦ってきた人々が、文在寅政権の中枢を占めている。にもかかわらず、現政権は自らへの批判には不寛容だ」「来年3月の大統領選を控え、政権に批判的な大手報道機関をけん制しようという意図が読み取れる」

日本の朝日新聞 「韓国の法改正、言論弾圧は許されぬ」「言論の自由にかかわる問題であるだけに、慎重な判断が求められる」

日本の産経新聞 「 基準が不透明で、政権による恣意的な運用が懸念される」

世界新聞協会ペレーニューCEO 「万一改正案がそのまま押し通されれば、大韓民国政府は改革という名で自由で批判的な討論を事実上抑制する最悪の権威主義政権になる」

などなどです。この法案も強行裁決ですかね。韓国は「独裁国家」まっしぐらです。文在寅政権も末期にきて焦っているのでしょう。馬脚を露わにしたということでしょうか。拙速に提出されたこの法案は与党内部でも十分に理解が進んでいないようで、外国メディアにこの法律が適用されるか否かついて、与党議員は明確に答えられなかったようです。

 

朝鮮半島で何が起きているのか?(4)。「文在寅政権の墜落が始まった」

 【文政権墜落始まる、曺国(チョ・グク)の弟拘束、妻は教授免職、娘資格剥奪】と題するユーチューブの「李相哲テレビ8.26」で、

李相哲氏は文在寅政権の墜落が始まったと指摘。これまでの韓国の裁判所は文政権を守る、あるいは保護することに専念してきたが、ここにきて風向きが変わってきた。文政権に不利な裁判が相次いでいるのは、大統領選挙で与党が勝つ可能性が小さくなっていることが背景にあるのではないかと分析しています。それは文在寅氏の腹心の部下で次期大統領候補と目されていた曺国氏と彼の家族に対する最近の裁判結果が物語っているという。曺国氏本人の裁判も厳しさが予想されます。

【朝鮮日報8.27曺国元法務部長官の弟、一審は採用不正のみ有罪、二審は4件で有罪】ソウル高裁は26日、曺国元法務部長官の弟で、教員採用不正などの罪で起訴されたチョ・グオン被告に対し、懲役3年の実刑を言い渡し、身柄が収監された。

熊洞学院事件とは: 「チョ被告は熊洞学院(曺国氏の父が理事長、曺国氏と妻は理事、曺国氏の弟が事務局長という)の事務局長として在籍していた2016〜2017に熊洞中学校の正規教員採用の過程で受験希望者2人から合計1億8000万ウオン(約1700万円)を受け取り、試験問題と解答を事前に流出した疑い(業務妨害・背任受財)で起訴された。また、虚偽の工事に基づいた工事代金の債権を確保し、熊洞学院を相手取り2006年と2017年の2回にわたり虚偽の訴訟を行い、115億ウオン(約10億8000万円)の損害を与えた疑いも受けている」(公の学院から自分に債務が流れるようにしたと見られている)

【朝鮮日報8.27曺国元法務部長官の妻チョン・ギョンシム教授、東洋大学が免職処分】東洋大学は26日、子女の入試不正疑惑で収監されているチョン・ギョンシム教育学部教授を31日付で免職とする処分を発表した。釜山大は24日、娘のチョ・ミン氏の医学専門大学院への入学を取り消す決定を下した。

【聯合ニュース8.27文大統領の支持率36.7%で再び最低=不支持は59.7%】韓国の世論調査会社、リアルメーターが28日に発表した文在寅大統領の支持率は再び就任後最低となった一方、不支持率は60%に迫って最高を更新した。

【聯合ニュース8.24、韓国の曺国元法相「父として苦しい」、娘の大学院入学取り消しに】韓国・釜山大は24日に記者会見を開き、不正入学の疑惑を持たれていた曺国元法務部長官の娘について、2015年度の釜山大医学専門大学院入学を取り消すと発表した。チョ氏の不正入学をめぐっては、チョ氏の妻が教授として在職する東洋大の総長からの表彰状を偽造し、釜山大医学専門大学院の入試の際に提出した罪などに問われ、今月開かれた二審で懲役4年の判決を受けた。チョ氏の娘は今年1月に医師国家試験に合格し、ソウル市内の病院で勤務している。

【聯合ニュース8.11韓国の曺国元法相の妻  二審も懲役四年=娘の不正入学事件】韓国のソウル高裁は11日、チョ・グク元法務部長官の妻で、娘の大学院不正入学をめぐる業務妨害や私文書偽造など計15の罪に問われたチョン・ギョンシム東洋大教授に対し、一審と同じ懲役4年を言い渡した。チョン被告は東洋大総長の表彰状やインターン活動活動確認書などの書類を偽造するなどして2013〜14年に娘の医学専門大学院の入試で提出し、入学選考業務を妨害した罪で起訴された。