中国共産党政府との関係を見直そう(134)。中国共産党に対するこれ以上の判断ミスは許されない。

7月9日の日本経済新聞「Opinion」 に日本総合研究所上席理事の呉軍華氏【米リベラル知識人の幻想と傲慢さ】と題する記事が掲載されていました。米国の為政者のみならず、日本の政権を担う自民党、公明党の議員の皆さんには是非この記事を読んでいただきたいものであります。中国共産党に対する判断ミスは自由世界にとって致命的となるからであります。

中国共産党の百寿を祝う式典で、習近平総書記はいかなる外部勢力も、中国をいじめ、奴隷化しようとすれば「14億人余りの中国人民の血と肉で築かれた鋼鉄の長城の前に打ちのめされるだろう」と宣言した。名指しこそしなかったが、米国を念頭に置いたものであろう。・・・・

果たしてし習近平総書記は威勢を張ろうとしただけなのか。結論を出すのは無論、時期尚早だ。しかし、過去を振り返れば、米国は中国共産党に対する判断をことごとく誤ってきた。そうした誤りとそれに基づく米国の政策が、中国共産党を勢いづける一因になったと言っても過言ではない。

例えば国共内戦時、国民党軍の行動にブレーキをかけた「マーシャル調停」を含めた米国の対中政策は、内戦の結果に大きく影響した。また、中国が世界のメジャーパワーに台頭する契機となった世界貿易機関(WTO)加盟も、米国の後押しがなければ難しかったかもしれない。

イデオロギー的に対立するはずの中国共産党に、米国がこれだけ寛容的なのはなぜか。主たる原因のひとつは、米国の知識人が西洋本位の発想で中国共産党を理解しようとしていることであろう。

2020年6月、オブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当、当時)はある演説で「中国共産党に対する判断ミスは、1930年代以来の米国の対外政策で最大の失敗だ」と主張した。エドガー・スノーが「中国の赤い星」で、国際社会に中国共産党を好意的に紹介したのは1937年だ。スノーら当時の中国と関わった米国のリベラル知識人の目には、毛沢東らは教え導くべき国々のリーダーとして映ったのだろう。

その結果、中国共産党はイデオロギーと関係なく、改革を目指す政党だとの幻想が生まれた。その幻想は近年までの米国の対中関与政策を支えた大きな土台であった。

西洋本位の発想はある種の傲慢さも生み出した。旧ソ連崩壊につながったベルリンの壁崩壊後、「民主主義と自由経済の勝利で歴史が終わった」との論調が広がった。しかし、中国では直前の「天安門事件」で、共産党一党支配体制が揺るがないことが実証されたばかりだった。中国経済の成長を支援すれば、中国が民主化するという見立ても傲慢さの表れだ。この見立ては、グローバルに利益を追求する多国籍資本の行動を合理化する口実ともなった。

中国の台頭は、西洋本位の発想で世界は動いていないことを改めて示した。米国のリベラル知識人が自らの発想の限界を認識し、対中戦略の再構築を通して新たな米中関係を作り出せるのか。注意深く見守りたい。

中国共産党政府との関係を見直そう(133)。「日本はこの危機に対し準備はできているのか」

門田隆将氏の正論【戦後76年の「特別な夏」に思う】(産経新聞8月19日)に次のような一文がありました。

1949年建国以来の侵略の歴史と、チベットやウイグル、南モンゴル、そして香港等等で続く激しい人権弾圧・・・日本やアメリカが助け、技術と巨額の資金を提供し、手取り足取りで育て上げた“巨大モンスター”中国共産党は、今や台湾への軍事侵攻の意図も隠さなくなり、連日、尖閣への領海侵入を繰り返している。ついには習近平国家主席が「百年の恥辱を晴らし、偉大なる中華民族の復興を果たす」という建国百年の2049年までの国家目標を掲げるに至った。

百年の恥辱を晴らす対象は、言うまでもなく「日本」である。満州国の建国、あるいは支那派遣軍百万の大兵力に攻め込まれた歴史的事実を習近平国家主席は決して忘れていない。

では、日本はこの危機に対してどれくらいの準備ができているだろうか。

 

誰もがしっかりと「この危機」に対応できる国家であることを願っている。そのために何を為さなければならないのか、菅政権と政権与党は明白に国民に告げなければならない。また特に情報戦において、外国勢力との関連が疑われる国内の「反日」勢力とも闘う姿勢を示してほしいものである。恐れることはない、国民を信頼しよう。