Month: 1月 2015
阪田氏の提案(南埠頭沖埋立地構想)に大賛成です。
大阪の港と街を考える(その3)NPO大阪ベイエリア開発研究会理事 阪田晃
「大阪港」1月号に掲載された上記論文の【自然災害からの安心・安全】という項目から、一部紹介します。
「しかし、こと安心に関しては人々の心の持ち方であり、数値計算だけで解決するものではなく合理的な説得は難しい。例えば防潮鉄扉が地震の影響で閉まらないのではないか。在港の船舶が地震発生後2時間内に自力で港内から脱出できるか。心配すればきりのない問題が山のようにある。図ー2は、M8.6の南海地震発生時の港内津波の波高シミュレーションの結果を示したものである。中央突堤付近で2m程度であり台風時の波高に比べて小さく大阪港内は問題がないが、津波は進行波であり安治川、尻無川、木津川を遡り中之島で合流し波高は高くなる。河川堤防が地震の影響で沈下でもしようなら、市内特に地下街や地下鉄構内に津波が押し寄せることになる。このことを防ぐため、「大阪府河川構造物等審査会」で平成26年7月に3河川下流部や大関門などに防潮水門を設置する5案が提示された。河川下流部の水門はその周辺地帯に水位上昇による越波での被害が生じる恐れがある。又港内での大規模な水門はいずれも1000億円程度の費用がかかり、コスト・ベネフィットの点で問題がある。南埠頭沖埋立地を造成することにより、大阪港は西に舞洲、夢洲、新島があり、東南に既定計画の新島北防波堤・南防波堤により、台風時の波浪や津波の港内への侵入を防ぐことができる。さらに新島南北防波堤の開口部に水門を設置すれば、大阪港のみならず市内中心部の人々に大きな安心をもたらすことになる。しかも、この埋立地があるかぎり、末代まで大阪市民は津波から守られることになる」。