大阪都構想の必要性について考える(89)。橋下氏と大阪維新の会による改革の実績を紹介します。

橋下徹氏が大阪市長に就任されたのは平成23年12月。実質的な橋下市政のスタートは平成24年からということになります。ご存知のように大阪市は平成13年オリンピック招致に失敗し、翌14年には当時の磯村市長が“大阪市財政非常事態宣言“を出しました。それ以降、大阪市の財政は悪化の一途をたどり、平松市政の最後の年である平成22年大阪市財政局は、このまま推移すれば8年後(平成30年)には累積収支不足が3000億円に達して財政再建団体に転落するという予測を発表しました。橋下氏が大阪市長に就任されたのはまさにこのような最悪の時期だったのです。下図の数字は橋下氏が市長に就任されて以来行ってきた改革による効果(結果)であります。そして大阪は今、万博を担うことができる「都市」へと大きく変わりました。この流れを止めてはいけません。

IMG_6653 IMG_6654

大阪都構想の必要性について考える(88)。公明党は合意を守り、住民投票の実施時期を明確にすべきだと思います。

 平成29年に作成された公明党と大阪維新の会の住民投票をめぐる合意書は以下の通りです。

「  公明党と大阪維新の会は本日、次の通り合意した。1、平成29年5月議会(大阪府議会、大阪市議会)において特別区設置協議会議案をそれぞれ可決すること。2、上記設置の特別区設置協議会において、慎重かつ丁寧な議論を尽くすことを前提に、今任期中に住民投票を実施すること。以上、合意成立の証として、本書2通を作成し、各1通を保有する。

平成29年4月17日   公明党大阪府本部  幹事長  林啓二      大阪維新の会  幹事長  今井豊 」

以上が昨年末に判明した合意書です。

〈合意1〉の特別区設置協議会については合意通り大阪府議会、大阪市議会で可決、いわゆる法定協議会が設置され協定書作成に向けて議論が進められてきました。

〈合意2〉の住民投票の時期については未だに具体的に示されていません。大阪維新の会は昨年平成30年10月に住民投票することを希望していました。私たちも昨年4月頃からその準備にも着手していました。またマスコミでも平成30年10月住民投票実施なのか、それとも平成31年の5月実施になるのかと、大きく取り上げられていました。しかし、公明党からは実施時期について具体的な提案も意思表示もありませんでした。また嘉悦大学による都構想の経済効果に関する報告書が出ると、自民党や共産党とともにこれを無視し、法定協議会の場では経済効果に関する議論は一切なされませんでした。慎重かつ丁寧な議論を約束していたはずなのに、松井代表が裏切られたと思うのも無理からぬことであります。

このころから法定協議会での協定書作成のめどについて不透明感がさらに増してきました。そしてついに昨年末、松井代表は合意書の内容を公表し公明党に約束を守るよう求めました。当然のことだと思います。公明党は合意書の約束は“市長と知事の任期中“と言っていますが、それならばそれで法定協議会での協定書作成の時期やいつ住民投票を行うのかについて明確に示さなければなりません。時期を明確にして、それまでの間慎重かつ丁寧な議論をすればいいのではないでしょうか。大阪維新の会と公明党大阪府本部の合意の事実と趣旨から見てそれ以外の選択肢はないと思います。今後も時期を示さないで熟議のみを主張するのであれば単なる先延ばしとしか理解しようがありません。公明党大阪府本部の賢明な判断を期待しています。