中国共産党政府との関係を見直そう(95)。「戦後」の世界について考える。日本の出番。

 米欧「中国離れ」に戦略的好機

湯浅博の世界読解(産経新聞5月29日)より

そして「中国は欧州を失った」イーヨー・安倍  知略を描く番だ

「武漢ウイルスによる中国経済への打撃は深刻で、習主席は21年の中国共産党創立100周年に向け、内政の不安を対外的な強硬策で乗り切ろうとする。香港の締め付けをはじめ、台湾海峡や南シナ海、東シナ海で軍事的圧力が増してくる。全人代では、経済見通しも出せなかったというのに、国防予算だけは前年比6.6%増を打ち出した。

対中抑止の最前線にある日本は、今回のコロナ危機で『中国離れ』が顕著な欧州、東南アジアを巻き込む戦略的好機を迎えた。

インド太平洋戦略の核である日米豪印4カ国戦略対話(クアッド)を欧州にも拡大し、『クアッド・プラス』に向けて日本がリードできる。

経済面では、米欧を説得し、サプライチェーンをTPPを軸に『TPPプラス』として再構築することが可能だ。

イーヨー・安倍が『ようこそ自由の国へ』と頓知を利かせるように、日本が知略を描く番である」。

(注:「クマのプーさん」は習近平氏。「イーヨー」はクマのプーさんの仲間でロバのイーヨーのこと)

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 今月25日の安倍首相記者会見での発言についても紹介しておきます。

「現在、米国と中国の間で、新型コロナウイルスの発生源をめぐり、激しい議論が行われている。日本の立場は『ウイルスが中国から世界に広がった』のは事実だと考えている。今後の日本の役割は、今回のようなパンデミックが起こったとき、『世界がどう行動すべきか』について提示していくことだ。こういうときは、世界中が協力しなければならない。ただ、日本の外交・安全保障の基本的立場としては、米国は日本にとって唯一の同盟国である。『自由と民主主義』『基本的人権』『法の支配』という基本的価値を共有している。日本は米国と協力しながら、さまざまな国際的な課題に取り組んでいきたい。中国も、世界において極めて経済的にも重要な国であり、プレーヤーだ。それにふさわしい責任も果たしていただきたい。国際社会は『日本と中国がそれぞれ、地域や世界の平和や安定、繁栄に責任ある対応を取っていくこと』を期待している。中国がそういう対応を取ってくれることを期待したいと思っている」。

 

中国共産党政府との関係を見直そう(94)。「戦後」の世界について考える。自民党から「習氏国賓来日の再検討要請」

自民党、習氏国賓来日の再検討を政府に要望

5月30日の産経新聞の報道によれば、

自民党の外交部会と外交調査会は29日、中国の習近平国家主席の国賓来日の再検討を政府に求める決議文をまとめた。香港に国家安全法制を導入する中国の動きを受けた対応。中山泰秀外交部会長、衛藤征士郎外交調査会会長が官邸を訪れ、菅義偉官房長官に提出した。菅氏は「真摯に受け止めたい」と述べた。

決議文は、中国が香港に国家安全法制を導入する方針を決めたことに対し「重大な懸念」を表明。習氏国賓来日について「再検討も含め、政府において慎重に検討することを要請する」と明記した。「一国二制度」「高度な自治」の下、自由で開かれた香港であり続ける必要があるとして、首相から中国政府に働きかけるよう促した。

日中両政府は3月、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、4月に予定していた習氏来日の先送りを決めた。その後、双方は日程を再調整するとしている。

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 同様の趣旨の申し入れは、自民党保守派の「日本の尊厳と国益を護る会」(代表幹事青山繁晴参議院議員)からも、今月19日に官房副長官に手渡されています。