中国共産党政府との関係を見直そう(81)。「戦後」の世界について考える。西側諸国では中国を友好国とみなす国はなくなった。

 コロナの敗者は中露首脳、民主主義国も

予断許さずーFINANCIAL  TIMESー

 ー令和2年5月8日、日本経済新聞よりー

西側諸国では中国を友好国とみなす国はなくなった

「アジア以外に目を向けると、今回の感染拡大で西側諸国では中国を友好国とみなす国はなくなったという事実がう浮き彫りになった。感染の発生に対する中国政府の最初の対応が『事態の隠蔽』だったことは、トランプ米大統領の支持者による陰謀説など聞かずともわかる。その後、中国政府がとった威圧的な外交は、自らに責任がないことを証明する狙いだったが、隠蔽したという疑惑を強めただけだった。ウイルスの発生源について国際的な調査を実施すべきだとする国々の先頭に立つオーストラリアは4月27日、中国を『経済力で他国を支配しようとしている』と非難した。経済力で他国を支配しようとしているとの疑念は、強まる中国への批判の流れと一致している。相手国の重要な資産を最終的には飲み込むような中国の投資や貿易政策、南シナ海での軍事的行動は、欧州の中国への姿勢を一変させた。EUのある上級外交官によると、EUの対中政策の基本はごく最近まで『共に何かに取り組もう』だったが、今は中国からの提案はまず押し返すという。英国も同様だ」

習近平政権の権力基盤の脆弱性

「習氏は、最初に中国の武漢で感染拡大が猛威を振るったときより今、事態をしっかり掌握しているようにみえる。しかし、この立ち直りより衝撃的なのは、感染拡大への中国政府の当初の対応に対する中国市民の怒りの抗議で露わになった権力基盤の脆弱さだ。習氏が感染の震源地、武漢を訪問できたのは感染拡大から2ヶ月以上たってからだ。中国市民による抗議は、何ヶ月も続いている香港での民主化運動や台湾総統選での独立派の圧勝とタイミングが重なった」

民主主義国家も予断許さず

「自由民主主義国家はコロナ危機後も健在だと安心してはいけない。コロナ危機は、西側各国が日ごろ口にしてきた『互いに助け合い、協力する』という約束を限界まで、あるいは限界を超えて実行できるかを試している」