中国共産党政府との関係を見直そう(24)。米国は中国をどのように見ているのか(4)。ペンス副大統領の演説より「米国の企業は国内と世界で米国の価値観のために立ち上がるべきだ」

。【日本経済新聞  令和元年 10月26日】より。ペンス副大統領の講演要旨です。

「中国はかってない監視国家を構築している。その技術をアフリカ、南米や中東に輸出している。この一年間で中国の行動は隣国に対して、更に挑発的になってきた。中国は南シナ海を軍事化するつもりはないという一方、対艦ミサイル等を人工島に配置している。東シナ海では同盟国である日本は中国の挑発に対する緊急発進の回数が19年は過去最多となる見通しだ。また中国は日本に施政権がある尖閣諸島の周辺水域に60日以上連続で艦船を送り込んだ。中国は広域経済圏構想『一帯一路』を使って世界中の港に足場を築いている。

我が政権はこれからも『一つの中国』政策を尊重していくが、札束外交を使って中国はさらに二カ国も台北から北京に外交的承認を乗り換えさせ、台湾の民主主義への圧力を強化している。国際社会は、台湾への関与は台湾と地域の平和を守るものだということを忘れてはいけない。

中国共産党による自由への嫌悪を最も示したのは、香港情勢だ。トランプ大統領は米国が自由を支持すると明言してきた。当局が香港の抗議する人たちへの暴力に訴えれば、貿易交渉を妥結するのは一段と困難になると繰り返し明言してきた。米国は引き続き中国に抑制を促す。

中国共産党は米国の世論に影響を与えようと、米国の企業や映画産業、大学、シンクタンク、研究者、報道関係者、そして自治体や州、連邦政府の役人に見返りを与え、威圧を続けている。中国は米国に不公正な貿易で何千億ドル分もの製品を輸出するばかりでなく、最近は企業の欲を悪用して検閲をも輸出しようとしている。

ナイキは、いわゆる社会正義の擁護者だと自己宣伝している。しかし、香港の問題では社会的良心を捨てることを選んでいる。中国にあるナイキの店は、中国政府によるヒューストン・ロケッツの幹部のツイッター投稿への抗議に参加し、ロケッツの商品を撤去した。故意に人権侵害を無視する企業文化は進歩的ではなく、抑圧的だ。

米企業やプロスポーツ、プロ選手が検閲を甘受するならば、それは単に誤りではなく、非米国的だ。米国の企業は国内と世界で米国の価値観のために立ち上がるべきだ」。

中国共産党政府との関係を見直そう(23)。米国は中国をどのように見ているのか(3)。ペンス副大統領の演説より「我々は過去25年間で中国を再建したが、そうした日々は終わった」

【日本経済新聞  令和元年 10月26日】より。ペンス副大統領の講演要旨です。

「私は本日、21世紀の運命の多くを左右する主題である米中関係について話すためにここに来た。トランプ米大統領は政権初期から、より公正で安全、平和な世界を達成するため、率直で公正かつ相互尊重に基づく関係の構築を決意してきた。

1年前、米国の国益と価値観に最も有害な多くの中国の政策について話した。債務外交や軍拡主義、信仰の抑圧、監視国家の建設、為替操作、自由で公正な貿易と矛盾する貿易政策、強制的な技術移転や産業への補助金などだ。過去の米政権はこれらの乱用を知りながら何もしなかった。

わずか20年未満の間に世界史上最大の富の移転が見られた。過去17年間で中国の国内総生産は9倍以上成長し、世界第二位の経済大国になった。この成功の多くは米国から中国への投資によるものだ。我々は過去25年間で中国を再建したが、そうした日々は終わった。トランプ氏が三年未満でその物語を永遠に変えた。

米国は現在、中国を戦略的かつ経済的なライバルと認識している。この一年、大統領は過去の失敗を修正し、米中関係をより公正で安定した建設的な進路に定めるため大胆かつ断固とした行動をとった。米国は世界の歴史で最も強い経済を保持している。

数百万人の少数民族と宗教的少数派の人々が彼らの宗教的、文化的なアイデンティティを根絶しようとする中国共産党の行いに苦しんでいる。

中国にはより良い未来を望んでいる。だからこそ、この数十年間で初めて米国は中国の指導者に大国の指導者として接している。敬意を持って、しかし一貫性と率直さも持って対応している。

私のハドソン研究所でのスピーチから一年が経過した今、中国は米中の経済関係改善のための意味ある行動をまだとっていない。その他の多くの問題では、中国の行動は更に攻撃的に撹乱的になった。貿易面で5月には、数ヶ月に及ぶ交渉の後に出来上がった150ページの合意書を最後になって拒絶した。

トランプ大統領は、依然として中国が取引を望んでいると信じている。チリで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で第一段階の合意書に署名できることを望んでいる。

しかし、知的財産侵害を止めると2015年に約束したにもかかわらず、中国政府は米国の知的財産の侵害を支援し続けている。麻薬入り医療用鎮痛剤『フェンタニル』を巡っても約束を守らず、何千人もの米国民が毎月命を落としている」。