中国共産党政府との関係を見直そう(12)。中国共産党は何を隠蔽したのか(4)。発生源は「コウモリ」か「研究所からの漏洩」か。

《中国政府、当初は「コウモリ説」。今は「米軍説」を主張》

感染源はコウモリ、中国の研究チームが発表。2月5日付の読売新聞は感染源について、「 中国湖北省を中心に広がる新型コロナウイルスの感染源はコウモリの可能性が高いと、中国科学院などの研究チームが発表した。論文が英科学誌『ネイチャー』に掲載された」と報道。

しかし中国政府は今、「米軍がウイルスをばら撒いた」と主張しているようだ。だとすると中国政府は、中国科学院の主張するコウモリ説を否定することになります。武漢ウイルスが研究所で人為的に作られたものであると認めたことになります。

《「研究所からの漏洩説」について》

・北村豊(中国監測家、中央大学政策文化総合研究所客員研究員)

「これはあくまで可能性の話だが、新型コロナウイルスに感染した武漢NBLの職員が華南海鮮市場を訪れて同市場関係者に接触したことにより、市場関係者が新型コロナウイルスに感染し、その人物を介在する形で新型コロナウイルスが人から人へと感染を拡大していったのではないか、という疑いが世界中で持たれている」

2004年のSARSののとき「中国政府衛生部は2004年7月に『学生の規則違反によりSARSウイルスが実験室から流出したことが原因だった』との調査結果を発表している」

・米メディアが報じた「研究所が発生源」説。(古森義久、産経新聞ワシントン駐在客員特派員)

「中国から全世界へと感染が広がる新型コロナウイルスの発生源は、中国湖北省武漢市にある国立の病原体研究機関かもしれない。米メディアがそんな可能性を報じた。報道では、その研究所が中国人民解放軍の細菌兵器開発に関わっているとの疑惑も呈している。今のところ可能性に確証はない」。

・「1月28日ハーバード大学公衆衛生学教授のエリック・ファイングルーデイン博士は自身のツイッターで『武漢市の海鮮市場はウイルスの発生源ではない』 と発信。たちまち世界中のメディアで取り上げられた」(NEWS ポスト)

・「そもそも武漢病毒研究所のようなバイオセイフテイーレベル4の施設を持つ研究所は、兵器レベルの研究、開発が主眼とみられる」。「私見では新型ウイルスは実験、研究の途中で、何らかの不手際が発生し、武漢の研究所内から外部に漏れたのではないか。その説明が最も納得できると思う」(米国在住の生物兵器や毒物研究の世界的権威のアンソニー・トウー氏)

「中国メディア『大紀元』は、2月6日、オンラインゲーム開発会社の会長が自身のSNSで『武漢の研究所が新型コロナウイルの発生源』と発言したと報じている。この人物はかって中国の生物学者が動物実験で使った牛や豚を食肉業者などに転売していた事件があったことから、新型コロナウイルスに感染した動物が市場で売られたのではないかと疑っているという」(NEWSポスト)

・「香港メディアが華南海鮮市場から300mほどの場所にある実験室『武漢疾病予防管理センター』からウイルスが流出したという内容の論文(のちに削除)の存在を報じるなど、依然ウイルスの出所には疑惑がつきまとう。発生源は華南海鮮市場ではないのだろうか」(NEWSポスト)

・「中国のネットで騒がれている話題で、中国武漢市発の新型コロナウイルスの最初の感染者は、武漢病毒研究所の黄燕珍さん(女性)ではないかと騒がれている。2019年11月末のはなしで、武漢病毒研究所に在籍していたのはネット民が突き止めており、中国当局は生存していると説明しているが、所在も顔写真も公表しておらず安否は不明である。2月16日に中国のメディアは「生物の安全を確保!科学技術省は実験室、特にウイルスの管理を強化することを要求した」と報道した。このタイミングで、この対応を取るということは、武漢病毒研究所からウイルスが漏れたことを認めたとも取ることができ、いずれバレるなら、今発表して、政府が対応していると、世界にアピールする意味があるのでは」(石平氏)

 

産経新聞の“産経抄”より。「被害者を装う」中国から、「救世主」を装う中国に変身?

3月19日付産経新聞『産経抄』より。

黒を白と言いくるめる中国政府の論法に、国際社会は何度も悩まされてきた。さすがにこれは、無理筋というものだ。中国外務省の報道官は先週、新型コロナウイルスに対して、「米軍が武漢市に持ち込んだかもしれない」とツイートした。厳重抗議だけでは、腹の虫がおさまらなかったようだ。トランプ大統領はツイッターで、「中国ウイルス」と名指ししている。先週のコラムで、「発生源をあいまいにして被害者を装う、中国のぎ欺瞞が許されるわけではない」と書いた。中国本土の感染の勢いが収まってくると、「被害者を装う」どころではなくなった。独裁体制ならではの強権の発動を日本や欧米諸国も見習え、と言わんばかりの主張を官製メディアを通じて発信している。ウイルスの感染爆発が続くイタリアには、医療支援部隊を派遣した。もっともいくら「救世主」を気取っても、中国から拡散した事実は消えない。初期段階で中国当局が情報公開していれば、世界的な流行は回避できたはずである。中国ウオッチャー、福島香織さんの近著『習近平の敗北』で、「逢九必乱」と呼ばれるジンクスを知った。西暦の末尾に9のつく年に、必ず中国に乱や厄災が起こるというのだ。確かに中華人民共和国が内戦の末に建国したのは、1949年である。59年のチベット動乱で、ダライ・ラマ14世が亡命する。69年にはソ連と、79年にはベトナムとの紛争が起こる。89年の天安門事件は世界を震撼させた。99年には法輪功のだ弾圧があった。2009年には新疆ウイグル自治区で騒乱が発生、今もウイグル人への激しい弾圧が続く。そして昨年の新型肺炎である。中国政府がいかに否定しようとも、ジンクスは破れなかった。