中国共産党政府との関係を見直そう(45)。WHOを検証する(2)。
令和2年1月24日の日本経済新聞夕刊です。
23日にWHOは緊急事態宣言について検討しましたが、結局は見送りました。その時のWHOの記者会見の内容です。
フサン委員長(仏国立食品環境労働衛生安全庁アドバイザー) 「緊急会合の結果、現段階では中国での新型コロナウイルスは『国際的に懸念される緊急事態』とみなすには時期尚早であると言う結論に至った。参加者の意見は割れていたが、複数の専門家が症例数が限られるため、緊急事態宣言は早すぎると述べた。中国当局が封じ込めに努力していることも考慮した。必要に応じて中国政府に対して、透明性を確保し、データやリスク管理に関する説明を共有することを求める」。
テドロス事務局長 「現時点では感染した約600人のほとんどは中国国内で、国外の感染者数は数件にとどまっている。ヒト対ヒトの感染も、近親者や治療に携わる医療関係者にとどまっており、中国国外では報告されていない。死亡にも至る深刻な病状も引き起こしているが、患者の多くは比較的症状が軽い。死亡患者の殆どが他にも疾患を抱えていた。WHOが事態を深刻視していないと考えるのは大きな間違いだ。中国では緊急事態だが、国際的にはまだそうなっていないということだ。状況が変われば、国際的な緊急事態にもなりえる。新型ウイルスがどのように発生したのか、また、どのように感染が広がっているかについて、我々がまだ知らないことが多くある。WHOは現在、これらの解明に全力を尽くしている。WHOは現時点では、現行以上の貿易・移動の制限が必要とは見ていない。昼夜を問わず動向を注視しており、状況によって緊急事態宣言への判断切り替えをためらわない」。
しかし、この23日と31日の記者会見の内容を見ていくとWHOに対する疑惑は深まるばかりです。以下の問題について今後も検証していきたいと思います。
【昨年の12月31日には台湾は「人から人への感染」についてWHOに警告していましたが、中国政府への忖度から、WHOはこれを無視しました】
【1月10日の新華社による「人から人への感染は確認されていない」という中国政府の報告を信頼し、確認をおこたった。中国共産党は平気で嘘をついているにもかかわらず、武漢ウイルスに関する情報は中国に依存していた】
【1月21日、WHO西太平洋地域事務局は21日、ツイッターで『新たな感染の報告例から人から人への感染が起きている可能性がある』と指摘。しかしテドロスは無視した】
【春節で中国国内での人の大移動のみならず、1億9千万人とも言われる多くの人が国外へ移動することの危険性を軽視した】
【またこの時期にあえて「貿易・移動の制限は必要ない」と発言するWHOの真意はどこにあるのだろうか。習近平国家主席が一番恐れていたのは「貿易・移動の制限」にあったことは容易に想像できる。テドロス氏の発言は習近平氏への忖度としか言いようがない】
【習近平氏から武漢封鎖の話を聞いて、封鎖という取り組みによって感染症が封じ込めると判断したとするならば、テドロス氏はWHO事務局長として素人以下か、もしくは共産党独裁中国への過度の忖度としか言いようがない】
【習近平氏への過度な忖度がパンデミックの危険性を過小評価するという結果を導いた】