大阪の都市制度改革の必要性について考える(23)。大阪市の昼間人口、就業者数などの推移について。

大阪市の夜間人口(濃い折れ線)は、これまで増加傾向にあるものの、大阪の経済を支えている昼間人口(薄い折れ線)や就業者(棒グラフ)については減少傾向が続いています。このことからも、今後、人口が減少に転じ、働き手も減少していくことが予想されるとともに、将来の税収についても、厳しい状況になることも覚悟する必要があります。このような厳しい財政状況のなか、地域によって大きく異なる行政ニーズにきめ細かに対応していくためには、優先順位をつけて施策展開を進めることが、さらに重要となります。より地域の実情にあった施策を展開していくためには、大阪市域一律に行政サービスを提供するのではなく、市民に身近な区役所に権限を移譲し、その区役所で意思決定していく必要があると考えます。このような状況を踏まえると、市役所の本庁で大半のことを決定し、大阪市内一律で施策を展開するという現在の体制には限界がきていることは明らかであり、大阪にふさわしい大都市制度の改革が必要であります。

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大阪の都市制度改革の必要性について考える(22)。大阪市、人口減少・高齢化社会が及ぼす財政的影響について。

大阪市財政局の見解。

「まず、市税収入ですが、委員からご提出があった資料の通り、29年度予算では6518億円を見込んでおり、ピークであった平成8年度と比較すると約1250億円少ない状況である。

将来的な税収の推計については、2月に公表した財政収支概算(粗い試算)では、国が示した名目経済成長率により試算しており、試算期間の最終年度の平成38年度では、平成29年度と比較して、今回の税源移譲に伴う影響を考慮した実質的な伸びを4.8%増と見込んでいるが、地方交付税を含めた一般財源総額では、平成29年度と実質的に同水準で推移すると見込んでいることから、どの経費にも自由に使える財源としては、今後も増えないと考えている。

一方で、委員ご質問の社会保障費の増大をどのように見込んでいるかとのことであるが、生活保護費など社会保障費が影響する扶助費では、平成29年度予算は5492億円を見込んでいる。

将来的な扶助費の推計ですが、同じく粗い試算における、試算期間の最終年度の平成38年度では、平成29年度と比較して12.3%増の6170億円と、高齢化等の影響で今後とも増加すると見込んでいる」。

※9年後には、扶助費は6170億円になるとの見込みが示されましたが、これは現在の市税収入の約95%に相当します。

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