大阪の都市制度改革の必要性について考える(26)。二重行政について。橋下前大阪市長の言より。
「二重行政という言葉がよく言われますけれども、大阪の二重行政は施設の二重行政のことだけではありません。体育館が2つある、図書館が2つある、プールが2つあるとか、こんなのは小さい話でありまして、行政機構自身が二重なんです。壮大な無駄です。大阪府知事として府議会でやっていた議論を、大阪市議会で大阪市長として全く同じ議論をする。こんなことだったら、大阪府議会で大阪府知事が議論をして決めたことを大阪全体でやればいいじゃないか。広域行政についてはです。本当にそう思います。大阪府で知事時代に温暖化防止条例とかいろいろなことを、環境政策とか経済政策、いろいろなことをやりましたが、全く同じことを大阪市議会、大阪市長としてやらざるを得なくなっています」(地方制度調査会での発言)。
大阪府知事と大阪市長を経験された人の実感を伴った話であります。本来、大阪市は基礎的自治体として、その役割に専念すべきであります。二重行政によって生じる無駄な労力と時間、非効率性、税金の無駄遣い(府市ふしあわせと言われてきました)をなくすことは、市民・府民の利益につながっていきます。「新しい大都市制度」が必要だと言う 日本都市センター主任研究員、吉田民雄氏の提言はもっともだと思います。