中国共産党政府との関係を見直そう(23)。米国は中国をどのように見ているのか(3)。ペンス副大統領の演説より「我々は過去25年間で中国を再建したが、そうした日々は終わった」
【日本経済新聞 令和元年 10月26日】より。ペンス副大統領の講演要旨です。
「私は本日、21世紀の運命の多くを左右する主題である米中関係について話すためにここに来た。トランプ米大統領は政権初期から、より公正で安全、平和な世界を達成するため、率直で公正かつ相互尊重に基づく関係の構築を決意してきた。
1年前、米国の国益と価値観に最も有害な多くの中国の政策について話した。債務外交や軍拡主義、信仰の抑圧、監視国家の建設、為替操作、自由で公正な貿易と矛盾する貿易政策、強制的な技術移転や産業への補助金などだ。過去の米政権はこれらの乱用を知りながら何もしなかった。
わずか20年未満の間に世界史上最大の富の移転が見られた。過去17年間で中国の国内総生産は9倍以上成長し、世界第二位の経済大国になった。この成功の多くは米国から中国への投資によるものだ。我々は過去25年間で中国を再建したが、そうした日々は終わった。トランプ氏が三年未満でその物語を永遠に変えた。
米国は現在、中国を戦略的かつ経済的なライバルと認識している。この一年、大統領は過去の失敗を修正し、米中関係をより公正で安定した建設的な進路に定めるため大胆かつ断固とした行動をとった。米国は世界の歴史で最も強い経済を保持している。
数百万人の少数民族と宗教的少数派の人々が彼らの宗教的、文化的なアイデンティティを根絶しようとする中国共産党の行いに苦しんでいる。
中国にはより良い未来を望んでいる。だからこそ、この数十年間で初めて米国は中国の指導者に大国の指導者として接している。敬意を持って、しかし一貫性と率直さも持って対応している。
私のハドソン研究所でのスピーチから一年が経過した今、中国は米中の経済関係改善のための意味ある行動をまだとっていない。その他の多くの問題では、中国の行動は更に攻撃的に撹乱的になった。貿易面で5月には、数ヶ月に及ぶ交渉の後に出来上がった150ページの合意書を最後になって拒絶した。
トランプ大統領は、依然として中国が取引を望んでいると信じている。チリで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で第一段階の合意書に署名できることを望んでいる。
しかし、知的財産侵害を止めると2015年に約束したにもかかわらず、中国政府は米国の知的財産の侵害を支援し続けている。麻薬入り医療用鎮痛剤『フェンタニル』を巡っても約束を守らず、何千人もの米国民が毎月命を落としている」。