大阪の都市制度改革の必要性について考える(19)。学校規模の適正化について。橋下前市長の言より。

「学校規模の適正化については、もっと政治が力を入れなければいけないところだと思っています。これは、地域住民の皆さんにしますと、学校の統廃合問題というものは、廃校になる地域の皆さんは、これはもう絶対に嫌だということになるんですが、一番重要な価値は子どものためになるかどうか、そこがすべてだと思っております。地元のほうからは、地域が廃れるとか、地域コミュニケーションが薄くなるとか、いろんな声もあるんですけれども、まずは子供のために何が一番重要なのかということを考えましょうということを、これを政治のほうがしっかり言っていかなければいけないと思っております。ですから、議員の皆さんも、この統廃合問題になると、地域の声だけをそのまま右から左といいますか、受け売りみたいな形になって、地域が廃れる、地域が廃れると言うことは、それすなわち子供にとって最悪な環境にもなるということも十分認識して頂いた上で、地域活動をしていただきたいと思っております。教育委員会では、平成22年2月の大阪市学校適正配置審議会答申に基づいて取り組んでおりますが、答申では、12学級から24学級の小学校を適正規模とし、学年によってはクラス替えできない11学級以下の小学校を適正配置の対象としております。現在、児童数が120名を下回る6校について、統合に向けた調整を進めていると聞いていますが、私としては、11学級以下の小規模校について、喫緊の課題として適正配置に取り組む必要があると認識しております。区長と教育委員会が連携して、また地元の議員の皆さんもしっかりと連携して、積極的に取り組んでいかなければならない喫緊の課題だと思っております。子どもたちにとっては、1年、2年が非常に重要な時期でありまして、先日もあるテレビ番組でキャスターと討論したら、少人数学級がいいじゃないかということを言われましたが、少人数学級にも限界がありまして、何でもかんでも少人数がいいというわけではありません。これは教育的な観点から少人数にも限界があり、一定の規模がなければ集団的な教育というものができない、ということも教育の専門家からはっきりそういう答申が出ていますので、地元としては、保護者の観点というよりも地元の意見として、学校を残してくれという意見が出るかも分かりませんが、やはり子供第一と、子供の教育第一という観点から、ぜひ地元の皆さんの説得に議員の皆さんのご協力もお願いしたいと思っております」(平成24年7月本会議)。

大阪の都市制度改革の必要性について考える(18)。財政調整制度について。橋下前大阪市長の言より。

「(都構想は)市域に基礎自治体として必要となる最低限の財源だけを残し、残りのほとんどの財源を府に吸い上げられた後に、上から目線で財源調整を行うといった中央集権的な発想で行っており、現在の地方分権という大きな流れに逆行している」との自民党の批判に答えたものです。

橋下前大阪市長:「市民から見て、大阪市役所も大阪府庁も、これは大阪というある意味行政をつかさどっている役所でありまして、大阪市と大阪府ということを分けるべきでないと思っております。あとは仕事の役割分担の問題であります。大阪都構想というものを軸とした広域行政と基礎自治の役割分担に関して、議員(自民党)は中央集権的な発想で、現在の地方分権という大きな流れに逆行していると考えると言われていますが、これは恐らく前市長時代の大阪市役所の職員から言われたことがそのまま頭に残ってるんじゃないでしょうか。これは大きな間違いです。地方分権に逆行しているわけではありません。なぜかと言いますと、区という視点から見ますと、行政区というー議員は福島区出身ですから福島区の視点から見ますと、まさに今の大阪市役所が中央集権的なんです。区から上がっている税収、その他もろもろを一回大阪市役所が吸い上げて、そして大阪市役所がルールのない形で財政調整をやってるわけです。北区、中央区からは1500億円以上の黒字を生み出しておりますけれども、そこから赤字になっている区に財源補填をしている。これは大阪市役所というところが、ルールなき財源調整をやって、各区内の財政調整を行っているということでありまして、これは区の視点からいけば、府であろうが市であろうが、自らの自治を奪われているということには間違いありません。ですから、区の視点に立てば、区の自治権を確立するためにも、選挙で選ばれた長のもとに、みずからの住民自治を行っていくということで、広域行政と基礎自治の役割分担をすべきだ、というような考え方を打ち出しております。地方制度調査会においてもその点はしっかり議論されておりまして、この大都市、特に政令市においての大きな問題点は、住民自治が希薄化している。これはもうその通りだと思います。・・・大阪市内にしっかりとしたコミュニティーをつくっていく、住民自治、選挙に基づいた長をもとにした住民自治のコミュニティーをつくっていくということが、僕の今の広域行政と基礎自治の役割分担論であります」(平成24年3月本会議)。