4月9日に大阪市大杉本キャンパスで行われた、反都構想政治集会について。

4月9日に大阪市大で行われた「豊かな大阪をつくる」学者の会によるシンポジウム『特別区(大阪市廃止)と区の合併を考える〜大阪における府市再編問題〜』については先にお知らせした通りです。表面上はシンポジウムという形式を取っていますが、いわゆる都構想反対の政治集会であることは明らかであります。「自民党、そして何より公明党の先生方やその支持者の皆様方には、是非とも多数ご参加いただきたい」と、主催者が呼びかけています。シンポジウムのパネリストは都構想の住民投票に際し、反対の論陣を展開した学者たちであります。またこのシンポジウム開催趣旨には、「特別区=大阪市廃止」であるとして、都構想再チャレンジ、再度の住民投票を行う必要はないと謳っております。従ってこの集会は学術会議や学術講演会ではなく、まさに政治目的を持った政治集会であります。共産党系の出版社の人たちが受付けを行い共産党系出版物を販売したり、また出席者の中には自民党から都構想反対で先の大阪市長選に出馬した人物や共産党の市会議員、大阪市役所職員OBなどが参加していたということです。シンポジウムというのは名ばかりで、一部の学者を表面に立て、裏では自民党、共産党、一部の大阪市職員OBが徒党を組んで行った政治集会と言わざるを得ません。しかし一体なぜ、このような政治集会を大阪市大キャンパス内で行うことができたのでしょうか?不思議であり、疑問に感じるところであります。

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大阪の都市制度改革の必要性について考える(10)。人口減少が社会に与える影響について。

国土交通省の「国民意識調査」によれば、人口減少を実感する場面として、(1)商店街にシャッターが下りたままの店舗が増えた。(2)空き家をよく見かけるようになった。(3)外で子供の声を聞かなくなった。(4)学校が廃校になった。(5)バスや鉄道の本数が減った。路線自体がなくなった。(6)なんとなく地域に活気がなくなった。(7)百貨店やスーパーマーケットがなくなった。(8)転出者の噂を聞くようになった。(9)管理されない道路や公園等の公共施設が増えてきた。(10)医療施設、福祉施設が減少した(なくなった)。などがあげられています。またこれらと重なりますが、国土交通省として、人口減少が地方のまち、生活に与える影響については次のような項目を挙げています。(1)生活関連サービス(小売、飲食、娯楽、医療機関等)の縮小。(2)税収減による行政サービス水準の低下。(3)地域公共交通の撤退・縮小。(4)空き家、空き店舗、工場跡地、耕作放棄地などの増加。(5)地域コミュニティーの機能低下などを列挙しています。今後の人口減少については「2050年には、今は人が住んでいるブロックの2割で人がいなくなり、6割で人口が半減。無人の地域は全体の53%から約62%に広がる」「人口減少によって、2050年には日本の国土の約6割が無人になる」と発表しています。人口減少の影響は地方だけでなく、大都市においても「人口減少ショックは否が応でもでも大都市は『豊かな象徴』とされる時代を終焉させる。働き手が減る一方、都市部への高齢者流入が続き。アメリカのニューヨーク、シカゴ、ボストンやヨーロッパが味わった大都市の衰退、退廃は日本でもやってくる」と警鐘を鳴らす学者もおられます。大都市の方が事態は深刻であると考えられます。今後人口が減少しないように努力することは勿論ですが、より重要なことは、人口減少にふさわしい経済や社会の仕組みをどう作っていくか、人口が減少しても持続可能で幸せに暮らしていくためには、どのような戦略が必要かを考えることが大事である思います。人口減少社会にふさわしい役所のあり方、都市制度のあり方についても考えなければならないのは当然であります。役所のあり方、都市制度について議論するのは時間の無駄に過ぎないと批判する政党がありますが、そのような態度はおよそ政党に値しないと言わざるを得ません。