大阪の都市制度改革の必要性について考える(11)。現状での問題点。橋下前市長の言より。
「新たな大都市制度における特別区、いわゆる大阪都構想の協定書については、議会からさまざまな問題点、指摘をいただいていることは承知していますが、重要な視点は、今の大阪府、大阪市役所の体制にはこの大阪都構想よりもはるかに大きな問題と数多くの問題点が含まれているというところをまず前提としなければいけません。今の大阪府と大阪市の体制で、本当に日本でも笑い物になってきた二重行政というものがずっと行なわれてきて、先ほども公募区長から意見がありましたが、ニア・イズ・ベターの観点で区民の皆さんに施策を展開しようと思っても、さまざまな制約からできない。いわゆる今の大阪府、大阪市の体制にもいろいろな数多くの大きな問題点があるということです。特別区設置、大阪都構想にも問題点があるかもわかりませんが、今の大阪府、大阪市の体制と比べてどちらの方がいいのか、今までの大阪府・大阪市の失敗を改善するためには何をしなければいけないのかという視点で考えれば、今の大阪府庁、大阪市役所の体制よりも特別区を設置した新しい大都市制度、大阪都構想の方がはるかにましだと僕は考えております。用途地域の権限等についてもいろいろ議論がありますが、まず、この問題点の根本的な見解の相違の原因は、大阪府庁、大阪府知事というものをいわゆる市民の敵対組織と考えるかどうかです。これは、大阪市議会からすると大阪府議会や大阪府知事というものは外部の組織の人間という、そういう認識があるのかもわかりませんが、大阪市民にとってはみずからが選挙で選んだ代表でありますから、大阪市民にとったら大阪府も大阪市も一緒です。そういう視点に立つと、例えば用途地域等の権限についても、大阪市内だけで都市計画というものを進めるのか、大阪市周辺の自治体も含めて、僕でいうところのグレーター大阪ですけども、東京23区に匹敵するぐらいのエリア、それぐらいの面積で都市計画を進めていくのか、どちらのほうが大阪市民、大阪府民にとっていいのかといえば、僕は後者だと考えております」(平成26年10月)。