大阪の都市制度改革の必要性について考える(7)。橋下前大阪市長の言より。

人口減少社会を見据えて、大阪市の都市制度改革の必要性についての言及です。「議員、もうちょっと将来を見越した議論をしていただきたいですね。これ、少子高齢化社会を迎えて、どんどん行政サービスの支出というものは増えていきますよ。一方、歳入は、それは右肩上がりに増えていかないですよ。そうすると、どういうことを考えなきゃいけないかというと、政策について、住民サービスについて選択をしていかなければいけないという、もうそういう時代に今、突入しているんです。どんどん住民サービスをふやしていく、もうそういう時代ではありません。じゃ、住民サービスを選択していくという、その意思決定をやるのに、この260万人単位でやるということがどれだけ大変なことなのか。そっちの方が。もう不可能ですよ。限界ですよ。・・・だから、受益と負担の関係を明確化して、それぞれ大阪市内で5つか7つにおいて意思決定をしてもらう。それは何のためかといえば、少子高齢化時代を迎えて、限られた財源の中で住民サービスはふえるわけがない、その中で選択をしてもらうというその厳しい選択というものを住民の皆さんにやっていただこうと思えば、意思決定の仕組み、これを今の一極集中、中之島集中型を地域分散型にこれは変えていかなきゃいけない。これは地方分権というものそのもの、理念がそういうことです。地方分権というのは、受益と負担の関係を明確化していくという事なんです。それをこの大阪市で、先を見越してやりましょうと言うことです。・・・少子高齢化時代に、もう本当に待ったなしですよ」(平成25年11月)。「本来、住民自治の規模で考えたら、全国で1700ある自治体のうち85%が10万人未満なわけですよ。そしたら、今の24区という視点から見れば、今の区役所は何の権限もないし、財源もないわけです。だから、今のこの区役所、大阪市の出先機関である区役所をもっと拡充していこうというのが、この大阪都構想のもともとの考え方なわけですから、財源についても、今、大阪市が持っている財源、減るわけでもありませんので、住民サービスに使う分はきちっと確保した上で、そして各区間の格差というものをきちんとルールに基づいて透明性のある形で是正をしていく。そして、選挙で選ばれた長が大阪市内に複数人誕生することによって、きちんと大阪市内、地域の実情に応じた決定をする。・・・・限られた財源の中なんですから、これからどんどんお金がふえるわけじゃないので、選択をしてもらうということが一番重要、これがニア・イズ・ベターですよ」(平成25年11月)。

大阪の都市制度改革の必要性について考える。(6)大阪でも示して欲しい、産経の本気度。

4月17日の産経新聞の主張をありがたく読ませていただきました。人口減少社会について次のように書かれていました。「出生数減に歯止めをかける努力は、言うまでもなく続けなければならない。しかし、当面は人口が減りゆくことを前提に考える必要がある。それには、人口が大きく減った後に、どんな社会を目指すかについてのグランドデザインがいる。その際当座の対策だけでなく中長期的な視座に立った取り組みが求められる。・・・とりわけ急がれるのは、社会の支え手がハイペースで減ることへの対応である。平均寿命の延びで高齢者は過去の想定より増える見通しとなった。一方生産年齢人口(15〜64歳)の減り方は総人口が縮むスピードを上回る。その影響は、社会保障制度や経済だけにとどまらない。税収の落ち込みは行政サービス全体を劣化させる。若者の少ない社会は活力がそがれ、あらゆる場面で人手不足が深刻化するだろう。個々の事業に付け焼き刃で対処しても効果は薄い。過去の常識を打ち破る発想が大事だ」と。日本社会が直面している人口減少・超高齢化社会を乗り越えるために「強固な政策づくりに、政府は本腰を入れてもらいたい」と要求しています。力強い決意に満ちた文章であります。産経新聞のこのような姿勢に強く共感します。しかし、この問題は政府だけの問題ではありません。全国の自治体ではすでに以前から市町村合併やコンパクトシテイの検討など様々な取り組みを始めております。大阪では将来を見据えて、都市のあり方、都市制度について、提案もし、議論も重ねております。産経新聞も「常識を打ち破る発想が必要だ」と主張しています。その通りだと思います。だとすれば大阪維新の会が提案している都構想やその議論について、偏見や旧来の常識にとらわれることなく評価するとともに、内容に関しては正確に、分かりやすく市民に伝えて頂きたいと強く要望します。