日本国内で起きている拉致監禁拷問事件について考える(12)。4000件を超えると言われる拉致監禁事件はなぜ野放しにされてきたのか?「人権」は政治・思想・宗教の違いを超えて人間に付与された「普遍的価値」である。

 神戸地裁で行われた「青春を返せ裁判」での高澤守牧師の証言から拉致監禁の動機と手口について調べてみました。

A:  1996年(平成8年)1月23日付の第一回尋問調書

B:  1996年(平成8年)3月26日付の第二回尋問調書

C:  1996年(平成8年)5月21日付の第三回尋問調書

D:  1996年(平成8年)7月9日付の第四回尋問調書 

 

拉致監禁に係るキリスト教の牧師たち

高澤牧師は、杉本誠牧師、村上密(ひそか)牧師、船田武雄牧師といった牧師たちが、高澤牧師と同じくらい高い割合で家庭連合信者を改宗させていると証言しています(Aー16頁10行〜17頁4行)。また、高澤牧師は、家庭連合信者に対する改宗活動に携わっている牧師たちが、1980年代半ばから全国的に拉致監禁を始めたこことを認めています(Cー25頁)。連絡を取り合って一斉に拉致監禁を始めたのではなく、偶然、同じような時期に始めたのだということです(Cー25頁1行〜4行)。それ以前は家庭連合信者の改宗に関する全国的組織が確立されていなかったが、現在(1996年)では、全国的組織の骨組みがしっかりできていると証言しています(Cー11頁11行〜13行)。

全国霊感商法対策協議会では家庭連合信者監禁のための謀議が行われていた。

全国霊感商法対策協議会とは、高澤牧師の証言によれば、家庭連合対策に関心を持つ全国諸団体の牧師が集まって運営している組織であり、基本的には年2回、必要に応じてさらに多数回会合を持ち情報交換している組織です(Aー7頁2〜9行)。諸団体とは、日本基督教団、日本同盟基督教団、ホーリネス教団、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団など10以上の教団であり、さらにはキリスト教以外に、天理教などが参加しているといいます(Dー51頁7行〜52頁11行)。入会資格に制限はなく(Dー52頁12行〜13行)、会員は40人ぐらいで、実際に会合に集まるのは20人くらいの時もありますが、多い時には約40人集まるといいます(Dー53頁7行〜12行)。

会合の場所は、会館やホテルの一室の場合もありますが、東京で行う場合は日本基督教団・西新宿教会のフロアで行うと言います(Dー56頁1行〜4行)。会合では家庭連合の状況や「騙されて逃げられていく」ことを防ぐにはどうしたらいいかなど、諸般の話し合いがなされるといいます(Dー55頁6行〜12行)。「騙されて逃げられていく」とは偽装脱会のことであり、これを防ぐことが議題に上るのは、脱会するまで信者を監禁から解放しないからにほかなりません。要するにこの会合では、家庭連合信者に対する監禁のための謀議が行われているのです。

こうした会合の関係者に、宮村峻氏(みやむらたかし会社経営者)、杉本誠氏(日本基督教団牧師)、清水与志雄氏(日本基督教団牧師)、尾島淳義(あつよし)氏らがおり、彼らはよく会合に参加すると答えています(Dー56頁8行〜58頁4行)。

高澤牧師は、家庭連合信者に対する監禁による改宗活動を美化し、やっていて良かったと述べ(Bー87頁10行〜12行)、今後もこうした活動を続けていこうと思っていると答えています(Bー88頁9行〜117行)。

 

 

 

日本国内で起きている拉致監禁拷問事件について考える(11)。想像を絶する拉致監禁行為、拉致監禁はなぜ野放しにされてきたのか?「人権」は政治・思想・宗教の違いを超えて人間に付与された「普遍的価値」である。

 神戸地裁で行われた「青春を返せ裁判」での高澤守牧師の証言からの拉致監禁の動機と手口について調べてみました。

A:  1996年(平成8年)1月23日付の第一回尋問調書

B:  1996年(平成8年)3月26日付の第二回尋問調書

C:  1996年(平成8年)5月21日付の第三回尋問調書

D:  1996年(平成8年)7月9日付の第四回尋問調書

 

⑩、監禁現場で何が行なわれていたのか?

高澤牧師は、監禁場所で信者に対し何を話しているのかについて、家庭連合の教義である統一原理と聖書の教えとを比較しながら、統一原理の間違いを提示することだと証言しています(Bー34頁107行〜35頁2行)。

そして「家庭連合の教義のどこが具体的に間違っているのか」という質問に、高澤牧師は「韓国に再臨のメシアが現れるのが間違い」「文鮮明が再臨のメシアであるのは間違い」「復帰摂理の教義が誇大妄想に走りがち」などと答えています(Dー6頁2行〜7頁4行)。

なお、高澤牧師は「統一原理が間違いである」と考えている点について、家庭連合に問い合わせたことはないと証言しています(Cー58頁3行〜6行)。

高澤牧師は、尾島淳義および元信者の十倉氏と協力しながら改宗活動を行なっていた(Dー42頁5行〜43頁7行)。

高澤牧師と尾島氏はローテーションを組んで、毎日誰かが監禁場所を訪問するように計画していた(Bー54頁8行〜12行)。

高澤牧師の改宗活動によって脱会した元信者が、改宗活動に協力するため、監禁場所を訪れていることを証言しています(Aー47頁2行〜4行)。

高澤牧師の説く教義を受け入れない限り、永遠に監禁から解放されることはない、という不安と恐怖心のなかで、来る日も来る日も高澤牧師から一方的な情報を繰り返し叩き込まれていきます。

高澤牧師は、1995年1月22日付「クリスチャン新聞」に、「私自身が自ら正義感が強いからとか愛があるからではなくて、一番の問題は、キリストの御名が汚されている点だ」「本当に教えそのものが、本来あるべきキリストの御名を汚されている、これが一番、私自身がこの問題に関わらせていただいている大きな原因だ」という記事を投稿しており、法廷でも、この部分を読み上げています。

高澤牧師はこうした改宗活動を「伝道活動の一環としてやっている」と証言し(Aー24頁9行〜10行)、高澤牧師のもとで家庭連合を脱会した元信者の6〜7割がクリスチャンになると証言しています(Aー21頁3行〜5行)。拉致監禁を手段とした方法が、正当な「伝道」であるはずはありません。自身と異なる信仰を持つ者に、自分と同じ信仰を持たせるというのは、「伝道」というよりも「改宗」です。

信者が脱会するまで監禁から解放しないこと(Cー31頁3行〜7行)、信者が脱会を申し出ても、それが偽装脱会かどうか慎重に確認し、脱会していると判断しない限り解放しないことから(Cー31頁3行〜7行)、明らかに棄教を強要しています。

高澤牧師の行為は、自身と異なる信仰を持つものを改宗させるため、信者を監禁し、棄教を強要している強制改宗に他なりません。