(7)後藤徹氏の事件への宮村氏の関与
ところで、今回、後藤徹さんの提訴事件で疑問が浮かぶのですが、なぜ、後藤さんは荻窪のマンションに監禁されてから、10年以上も解放されなかったのかということです。
宮村氏が頻繁に説得にやってきたのは9ヶ月間だけです。それなのに、徹さんの家族は宮村氏が説得に来なくなってからも、彼を解放しなかった。これがすごく不思議なのです。西東京市に実家がある。それなのに、10万円前後の家賃を払い続け、荻窪のマンションに家族で居続ける。奇怪な話というしかない。
宮村氏から後藤徹を解放するなよと言われ、宮村氏の指示にし従うという兄のGTさんたちが、その命令に忠実に従ったのではないか。どう思われますか?
伊藤弁護士: そうだと思いますよ。宮村氏が脱会説得した元信者は二つのタイプに分かれますが、従順派は宮村氏の指示に逆らうことなく従います。だから、宮村氏がGTさんに「弟を出すなよ」と言えば、間違いなくそれに従います。実は、後藤徹さんが拉致監禁されてから一年半か二年後のことですが、日本基督教団の牧師さんから「宮村さんがある信者を拉致し、一年半だか二年だったか、ずっと監禁している」と聞いたことがあります。思わず、「それ、犯罪じゃないですか。信じられない話ですね」と口にしたことがあります。その信者が後藤徹さんだったことを、徹さんが告訴したことで知りました。牧師さんなど他の脱会説得者ならともかく、宮村氏なら長期間の監禁はあり得る話です。「信じられる話」です。
それにしても、どうして宮村氏は長期間にわたって解放しないように、GTさんたちに指示したのでしょうか?
伊藤弁護士: それは、解放したら、脱会説得に失敗したことが広く知られてしまう。それを怖がったのでしょう。宮村氏は「俺は、失敗したことなどない」と吹聴していたと記憶しています。自分の手にかかれば絶対に大丈夫だ(脱会させることができる)みたいなことを言っていたし、そのために、それこそ5年間も教育と称して、月1万円を取り続けているわけですからね。それがどうも脱会させられなかったこともあるらしいという噂が父兄の間に広まれば、神格化されていた宮村氏のイメージ像が崩れるじゃないですか。
私は、監禁中に後藤徹さんが宮村氏たちに、「訴えてやる」と叫んでいたことが原因しているのかと思います。つまり、開放すると刑事・民事事件で訴えられる。それが怖くて、宮村氏は徹さんをマンションに留め置いたのではないか?
伊藤弁護士: それも大いにありますね。なししろ犯罪なんだから。