今、注目の共産主義について考える(92)。中国共産党の言論支配。日本マスコミ界の無反応は中国支援のシグナル。
4月12日の日本経済新聞。
「中国のニュースアプリ大手、今日頭条の最高経営責任者は11日、不適切な動画投稿などでダウンロードの一時停止措置を受けた問題で謝罪文を発表した。『規模拡大に偏り、社会的責任や正しい世論誘導の意識が欠如していた』と表明し、ニュースや投稿内容などを検閲する人員を現在の6千人から1万人に増やすと明らかにした。社内の中国共産党組織の活動を強化し、習近平国家主席が別格の指導者であることを示す核心意識を含む4つの意識を高めると強調。・・・・共産党系メデイアとの連携を深め、党系メディアのニュースなどを多く伝える」ように決定したという記事です。
通信回線を遮断してまで、強制的に中国共産党と習近平氏に忠誠を誓わせたのですから、中国共産党は実に恐ろしいですね。今までは「今日頭条の利用者は2億人を超え、党系メディアとは一線を画す内容で若者に人気を集めて来た」とのことですが、中国共産党の恫喝により、きっと身の危険を感じたのでしょう、その経営方針はあっさり撤回され、共産党の支配に屈したということです。
しかしそれにしても、言論の自由にこだわっているはずの日本の言論機関は、日本で指折りの報道機関といわれるNHKや朝日新聞をはじめ、ほとんどの報道機関はダンマリを決め込んでいます。中国に何も言わないのは本当に奇妙であり、何を考えているのかと、怒りを感じます。日本の言論人は“自称言論人”“自称報道機関”と言わざるを得ないでしょう。
もし、日本のSNSをはじめ報道機関が中国のように、政府によって検閲されたりれ、放送や出版が強制的に停止され、政府に忠誠を尽くすことが求められたとしたら。さらに報道機関の経営陣の中に共産党の細胞のような監視目的の政府直轄組織が作られることになったとしたら、日本でこのようなことが起こったとすれば、もう大騒ぎを超えて政府転覆へと確実につながっていくことでしょう。それとも、日本の言論機関は、中国の言論機関のように政府に従順に従いますか。どちらですか。答えを聞きたいものです。
今、中国政府に抗議をしないで、見て見ぬ振りをしてダンマリを決め込むことは、日本の言論人や言論機関は中国政府の言論支配を黙認したというシグナルを送ったことになります。それでも黙認を続けますか?