今、注目の共産主義について考える(91)。「拉致問題」を米朝首脳会談の議題にするとのトランプ大統領の発言に感謝と最大限の評価を送ります。

拉致問題の解決は日本にとって最大の課題であり、また今千載一遇のチャンスが来ようとしています。しかし残念なことにマスコミの報道は極めて冷淡であります。どうなっているのかと腹立たしいかぎりであります。またこの時こそ、国会議員は全力を挙げて活躍しなければならないのに、議員外交は全くのゼロ。君たちは何をしているのかと言いたい。国会議員なら責任を持って議員外交をやりなさいよ。モリ・カケは一時置いてもいいではないか。議員外交を行いなさいよ。さらに拉致問題の背後に戦後最大の人権侵害事件である北鮮帰還問題もあります。拉致問題、北鮮帰還問題も含めて解決の最大のチャンスではないですか。国会議員よ動け、責任を果たすべく行動を起こしなさいよ。そして拉致問題解決に向けての政府の行動を支援しなさいよ。

また悲しいことに、今日の朝日放送報道ステーションの報道内容を見て怒りを感じます。反米を貫く報道ステーション。その朝日が今回の安倍訪米に際して「日本の要求がどれだけアメリカに受け入れられるかが問題だ」「日本が孤立している」と安部政権を批判する主張をしていました。反米を主張しながらアメリカの協力獲得を安倍政権に求めています。一体どっちなんだ。矛盾しているのではないですか。朝日が“言論機関“であるというなら、少なくとも言論の一貫性は担保してほしいものであります。さらに言えば朝日は外から眺めているだけでなく、そのコネクションを生かして北朝鮮政府の態度を正す必要があるのではないですか、日本で行なっているように。ただただ残念であります。

しかしそれに反して、安倍首相の頑張りは評価しなければなりません。新聞によれば安倍首相は「(トランプ大統領は、拉致問題を)日本が重視していることを理解し、米朝会談で取り上げると明言してくれた」と述べています。トランプ大統領に最大限の敬意を表しますとともに、アメリカや日本、韓国にとって脅威となっている核・ミサイル問題が解決することを心から願っています。また米朝会談に先立つ韓国政府と北朝鮮との南北会談で、韓国政府は拉致問題を取り上げるべきであり、強く要望しておきたいと思います。

と同時に、日本政府は北鮮帰還問題で、希望者全員が日本に帰国できるように努力しなければなりません。

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今、注目の共産主義について考える(90)。北鮮帰還問題(16)。チュチェ思想について考える。

古本屋さんで「朝鮮社会主義憲法」(白峰文庫、金日成、チュチェ思想国際研究所)という本を見つけました。この本は1979年4月発行、翻訳者は金日成主席著作翻訳委員会、発行者は安井郁、発行所、チュチェ思想国際研究所、東京都千代田区神田錦町3ー19楠本第三ビルとあります。

北朝鮮が巨額の金をつぎ込んで、世界にチュチェ思想を喧伝しようとした時代がありました。この本はそのような時代に北朝鮮の戦略によって出版されたものでしょう。内容は、1972年12月に成立した「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法」について詳細に紹介しています。そして興味深いのは、その最後に、福島正夫前東京大学・早稲田大学教授という人物の“朝鮮社会主義憲法制定の意義”という論文が掲載されています。

その福島氏の論文は北朝鮮憲法やチュチェ思想を絶賛し次のように書かれています。

「1972年12月27日、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第5期第1回会議で、朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法が採択された。これは、12月27日が、憲法節として国民の祝日にまでなったように、共和国の歴史に輝かしい一頁を切り開いたものである」

「独自のチュチェ思想を基幹とし、特色的なものをうちだしたのである。この意味で、朝鮮の新憲法は明らかに先駆的役割を果たしたといえるのである」

「最後に、共和国72年憲法と、それとほぼ同時に発表された『大韓民国憲法』すなわち維新憲法と称するものとが、まさに天国と地獄、光と影であることにふれたい。・・・維新憲法の前には絶望のみがあるが、チュチェ憲法のまえには未来が開かれている」と締めくくられています。

北朝鮮を盲目的に賛美しているのがわかります。しかし現実は、朝鮮民主主義人民共和国は地獄のような社会であり、反対に大韓民国は北朝鮮と比較すれば天国であることは周知の事実であります。福島氏がこのような論文を掲載したのはなぜなのだろうか。はなはだ疑問であります。そうせざるをえない事情があったのだろうか。北鮮帰還事業で帰還した親戚がいるのでしょうか。脅迫されて、生き延びるために、書いたのでしょうか。それとも中国の孔子学院のように多額のお金を受け取ったからでしょうか。色々と想いが浮かんで来ます。それとも純粋に共産主義・チュチェ思想の信奉者なのでしょうか。

地獄を天国と偽って、あまりにも多くの人々を『凍土の共和国』に帰還させた帰国事業。この学者たちもこの戦後最大の人権事件に加担したことになるのだが。