この言葉を胸に刻み込んでいきたい。
《平井文夫の言わねばならぬ》より
「『バイキング』の中で東国原・宮崎県知事が『(拉致)に結果的に進展はなく、政府の責任は極めて重い』と発言した時に、『拉致問題が進展しないことを安倍さんのせいにするのはおかしい』と思ったが、たしかに進展はしておらず、いまだ帰ってこない肉親を待ち続ける家族の方々にはそういう気持ちがあるのだろうなと思い黙っていた。僕もこの拉致問題を30年ほどだが追いかけているので少しモヤモヤしていたら昨日、めぐみさんの弟の横田哲也さんの記者会見を聞いて驚いた。哲也さんは、
問題なのは『安倍政権』ではなく、『40年間何もしてこなかった政治家や、北朝鮮は拉致などしていないと言い続けたメディアである』と指摘した上で、『何もやっていない人が政権批判をするのは卑怯だ』
と非常に厳しい言葉で政治家やメディアを批判した。横田滋さんは本当に立派な人だった。めぐみさんの娘ウンギョンさんが『おじいさんとおばあさんに会いたいから平壌に来て』と言った時も、拉致の交渉が北朝鮮ペースになることを嫌って訪朝しなかった。孫に会いたいという感情より拉致問題全体の解決を優先する人だった。哲也さんたちもそんな両親の背中を見て育ったのだろう。我々がすべきことは気楽な立場で政権を批判するのではなく、自分の娘が、あるいは兄弟が北朝鮮に拉致されたら、とまず想像してみることだろう。そして今は天国にいる横田さんの思いをかなえるためにも、我々はいかなる手段を使ってでも拉致被害者の奪還を最優先しなければならないと思うのだ」。 (フジテレビ 解説委員 平井文夫)