今、注目の共産党について考える(10)日本共産党の日本人民共和国憲法草案

日本人民共和国憲法草案では、軍備・防衛については全く触れられていません。自国の軍備・防衛問題について触れていないのは不気味であります。革命後に自由に書き加える意図があるとしか考えられません。中華人民共和憲法第二十九条には「1.中華人民共和国の武装力は、人民に属する。その任務は、国防を強固にし、侵略に抵抗し、祖国を防衛し、人民の平和な労働を守り、国家建設の事業に参加し、人民のために奉仕することに努めることである。2.国家は、武装力の革命化、現代化並びに正規化による建設を強化し、国防力を増強する」。そして第四節中央軍事委員会のところで第九十三条「中央軍事委員会は、全国の武装力を指導する」と記されています。中華人民共和国も含めて、いかなる国も自国の防衛について憲法に書かない、ということはあり得ないことです。日本人民共和国憲法草案では全く触れられていません。憲法に書かない理由は何なのでしょうか?隠さなければならない理由はなんなのでしょうか?憲法に書けば『平和主義』という仮面が剥がれるからでしょうか。それとも旧ソビエト社会主義共和国連邦や中華人民共和国の属国になる意図からなのでしょうか。

今、注目の共産党について考える(9)日本共産党の日本人民共和国憲法草案

日本人民共和国憲法草案を読んでいくと、社会主義社会とその次に来る共産主義社会の到来は歴史的必然として絶対化しており、他の歴史観・価値観を認めておりません。極めて独善的な歴史観、価値観を持っていることがわかります。日本人民共和国憲法草案の前文には「本憲法こそ、日本人民の民主主義的発展と幸福の真の保障となるものである」。第百条には「日本人民共和国の共和政体の破棄は・・憲法改正の対象となりえない」とあります。革命は歴史的必然で、反革命は許されないということです。この独善的偏見から、共産党の『一党独裁』が認められ、共産党は労働者階級を指導する『前衛党』であり、共産党が人民を指導して社会主義社会、共産主義社会をつくるという極めて傲慢な意識が生まれてきます。共産党内では上意下達の『民主集中制』によって党内独裁を確立し、共産党を指導するリーダーは『党中の党』として、絶対的な権力を持ち、『党中の党』は最終的に一人による独裁を完成させることになります。一人の独裁者の誕生は共産党にとって必然なのです。「党内からは一切反対意見が出ない」「共産党にはナンバーワンが絶対」(筆坂秀世)と元共産党の幹部の発言です。そして、共産党の指導に従わない人や団体は、人類歴史の必然に反逆する者として、『人民』とは認められず、人権無視の刑務所や強制労働によって思想『改造』を徹底に受けることになり、『奴隷労働』の誕生につながっていきます。旧ソビエトにおいて、年間数百万人もの奴隷労働者がいたというのも、社会主義社会の帰結と言えるでしょう。これらのことを国家権力をもって行うことができると日本人民共和国憲法草案でも書かれています。『独裁』、『改造』、『奴隷労働』は社会主義社会、共産主義社会の必然と言えるでしょう。