今、注目の共産党について考える(15)日本共産党の日本人民共和国憲法草案

古いパンフレットを見ていると、『大阪民主新報』2000年5月号外が出てきました。当時関西経済同友会事務局長であった萩尾千里氏が共産党との懇談会に参加され、そこで率直な意見を述べておられ、その時の記事が載っていました。萩尾氏の指摘は「(日本共産党の)綱領のなかではソ連、東欧諸国、そういうところの社会主義は、要するに覇権主義、専制主義、官僚主義、そういうものでやってきた、それが破綻したんだ、やり方がまずかったんだ、ということが言われています。しかし、では、日本の共産党だけが成功するやり方というのは、いったいどういうことなのか」と疑問を呈していました。また「私の感ずるところ、ソ連、北朝鮮、北ベトナム、東欧諸国といった旧社会主義国が崩壊、ないしは崩壊状態に陥ったのは、何と言っても計画経済による官僚、独裁体制のなかで、非効率に加え、民主主義、人権というものが否定、抑圧されていく。そういうものが、人民から反発をかったのではないか。そういう感じがいたします。かって私は、ポーランドの『連帯』議長で、ソ連に立ち向かったワレサさん、それからソ連の改革の急先鋒であったガイダル第一副首相ともお話しました。これは大変言いにくいことですけれども、『私たちは二度と共産主義には戻りたくない』と、こういうことを言うわけですね。それはなぜかというと、どうしても独裁になってしまうということをおっしゃるわけですね」と、経済人の視点からの根本的な疑問を指摘していました。ごもっともな指摘ですが、納得のいく回答を得られたのでしょうか?納得のいく回答はありませんよね。日本共産党方式の社会主義はソ連や東欧諸国とは違いますよ、との共産党の主張を引き出すための導入に利用されたとしたら、今更ですが極めて残念であります。共産主義の本質である労働者階級の独裁というプリンシプルは今も昔も変わりません。日本人民共和国もソ連や東欧諸国と同じような運命をたどるのは明らかなことです。