中国共産党政府との関係を見直そう(57)。中国、ひと月足らずで2度ロケット打ち上げ失敗。その理由は?

失敗の理由は?

笹川平和財団上級研究員の小原凡司氏は、「中国は、今年3月及び5月の2回の衛星打ち上げをもって30基の衛星からなる北斗3号システムが完成するとしており、すでに2月14日に、衛星打ち上げ用ロケットが四川省の西昌衛生発射センターに運び込まれている。中国当局による新型肺炎関連の情報統制は、感染拡大の原因の一つとして非難されている。軍の学校や北斗システムへの対応の迅速さは、それとは全く異なる。中国共産党は指導統制の一方で、被害を受けては困る組織やプロジェクトに関しては早期に徹底した対策を講じるという二重の基準を採ったとも考えられるのだ」「3月2日、国営通信社の新華社は『北斗システムのプロジェクトは、新型肺炎感染拡大を食い止めて秩序を回復し、北斗システムの安定運用を確実にしており、発射任務を計画どおり実施する』と報じた」と述べています。

北斗システムの関係者にはいち早く防疫体制(武漢にある海軍工程大学は1月2日に封鎖)をとったようだが、果たして防疫が完全に成功したのだろうか? 打ち上げ失敗との因果関係が気にかかる。

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 矢板明夫氏は4月22日付産経新聞で

「中国は3月16日、次世代主力ロケット『長征7号』の打ち上げ失敗したのに続き、4月9日には『長征3号B』の発射にも失敗した。米政府による半導体チップなどのハイテク技術製品の中国向け輸出規制の強化が関係していると指摘する声が多い」と述べています。

 

 

中国共産党政府との関係を見直そう(56)。「新型肺炎パンデミックの脅威、真の懸念は中国の秘密主義」

Another Epidemic Brewing in China NEWSWEEK2020.1月21日号

2020年1月14日(火)19時30分 (パンデミックを警告していた)

ローリー・ギャレット(米外交問題評議会・元シニアフェロー)

〈SARSの記憶がよみがえる新型肺炎の流行ーー見えない正体と少なすぎる情報がアジアを翻弄する〉より。

【昨年12月12日】湖北省の武漢で相次いで原因不明の肺炎患者が出た。少なくとも59人が病院で隔離され、現在7人が重篤な状態とされている。中国政府は例によってく口を閉ざしている。中国以外の研究者を含む専門チームが病原体の特定を進めており、人から人に感染した明らかな証拠は見つかっていない、と述べた程度だった。

【12月末】武漢市当局はようやくウイルス性肺炎の集団感染を発表した。

【12月30日】武漢市の保健委員会は公式サイトに「原因不明の肺炎の治療に関する緊急通達」を掲載した。地元メディアが委員会に問い合わせたが、患者は27人で、その大半が華南海鮮市場と何らかの関係がある、という情報しか得られなかった。

【12月31日】湖北省当局は「27人にウイルス性肺炎の症状が見られ、ウイルス性の肺炎もしくは肺疾患に感染していると診断された。うち2人は快方に向かっており、すぐに退院できそうだ」と発表した。その夜、香港では、武漢を訪れた3人が呼吸困難を訴えて入院していることが分かり、香港当局は警戒を強化した。

【1月1日】海鮮市場を閉鎖。中国と当局は、SARSを含む複数の肺炎の可能性は排除されたと説明した。謎の病原体は従来のコロナウイルスと同じ種類ではなく、SARSウイルスとは遺伝子が4%未満しか一致しないという。一方で、武漢で8人が逮捕された。「根拠のない間違った情報をネットで広めた」罪で厳罰を受けることになるとも、中国当局は発表。

(しかし【1月2日】海軍工程大学を封鎖。「原因不明の肺炎防止、外来者の構内侵入の厳格な管理の実施に関する通知」中国共産党が軍内での新型肺炎の感染拡大を恐れていることを示唆している)

【1月5日】香港の香港中文大学の学生の感染が確認される。

人から人の感染は確実?

【1月10日】武漢で確認された感染者は41人。

【1月11日】(新華社通信は「人から人への感染は確認されていない」という記事を配信)。当局がこのウイルスによるとみられる初の死者が出たと発表。香港でも少なくとも16人の感染が確認され、シンガポールでは疑いが1人。中国政府は、今回の肺炎の詳しい情報をソーシャルメディアに流した人々に、懲役刑をチラつかせている。疾病の大流行に対する中国政府の冷酷さと秘密主義は習近平政権にとって好ましいものでは決してない。正式な科学的調査の最中だとしても、説明責任の欠如や、噂の流布(と彼らが呼ぶもの)に対する厳格な取り締まりは、国際社会の不信感を増大させている。事実を隠蔽しているのではないか、実はもっとも大規模な流行ではないのか、と。

迫る帰省ラッシュ。

感染者の発見される地域が広がり、潜在的な病原体ウイルスに関する情報が増えるに従い、「武漢の海鮮市場で魚か野生生物に接触した人しか感染しない」という当局の説明は、ますます受け入れがたくなっている。そして感染の懸念は高まっている。