中国共産党政府との関係を見直そう(55)。昨年末には「感染拡大」と「人から人への感染」を中国政府は把握していた。

 小原凡司(笹川平和財団上級研究員、防衛大学卒)氏の「中国動態」週間東洋経済2020.3.28より引用しました。この記事を読めば、中国政府は昨年末には「新型肺炎の感染拡大」と「人から人への感染」を把握していたことが分かります。そして当然習近平国家主席も知っていたということになります。しかし、中国政府は1月1日に「『武漢ウイルス性肺炎を捏造』という罪で医者を含む8人を検挙」しました。李文亮医師のことは世界中に知れ渡りました。さらに1月11日に新華社は「人から人への感染は確認されていない」という記事を配信しました。国家が嘘をついたということです。

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「台湾の報道によれば、1月2日の時点で武漢にある海軍工程大学は『原因不明の肺炎防止、外来者の構内侵入の厳格な管理の実施に関する通知』を発出し、実質的に大学を封鎖していた。同通知は、『武漢市衛生健康委員会が【原因不明の肺炎の治療状況報告に関する緊急通知】を発出し、国家衛生健康委員会が武漢に専門家を派遣して業務指導に当たらせている』としていることから、中国共産党指導部は19年末には武漢における新型肺炎蔓延の状況を認識していたと考えられる。海軍工程大学の早期封鎖は、中国共産党が軍内での新型肺炎の感染拡大を恐れていることを示唆する例だ」。(海軍工程大学は中国人民解放軍の海軍の教育機関です)

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「3月2日、国営通信社の新華社は、中国衛星航法援助システム管理弁公室の話として、『(中国版GPSである)北斗システムのプロジェクトは、新型肺炎感染拡大を食い止めて秩序を回復し、北斗システムの安定運用を確実にしており、発射任務を計画通り実施する』と報じた。同記事の表現は、北斗システムプロジェクト関係者の間に新型肺炎が蔓延し、プロジェクトの秩序さえ失われていたことを示唆するものである。同プロジェクト関係者には早い段階で集中的な対処が施されたということになる」

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中国共産党政府との関係を見直そう(54)。中国の国際社会での振る舞い(3)。中国共産党の機嫌を損ねた「不運」な5カ国。フィリピンの場合。

《フィリピンの場合》

2012年中国とフィリピンの船が南シナ海で衝突した際、中国当局は怒りの報復として「バナナ戦争」を始めました。まずはフィリピンからのバナナ輸入を大幅に減らし、バナナに害虫が付いているという理由で、後に他のフルーツも「絞り上げ」に行き、パパイヤ!マンゴー!ココナッツ!パイナップル!「同罪」。中国当局はピナコラータが好みじゃないようですね。またはにわか雨で苦い経験があったのかも。特にフィリピンのにわか雨でね。中国当局はフィリピンへの旅行を控えるよう警告。これがフィリピンに大きな痛手を負わせました。

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しかし、フィリピンのドウテルテ大統領が中国リーダー習近平と「仲良く」すると決意してから、中国人観光客がフィリピンに戻ってきました。もちろんバナナの輸入禁止も解除したのです。引き換えにドウテルテ大統領が南シナ海の領有権の問題で譲歩したり、そしてこの「陽気な」冗談を言ったり、「いっそのこと我々を中国の一つの省にしたら」あ〜あ。するとあら不思議!数ヶ月のうちに中国人観光客は4割り増しに、さらに中国政権は輸入増加計画も発表し、マンゴー!ココナッツ!ドラゴンフルーツ!「免罪」。しかし南シナ海で領有権を主張しているのはフィリピンだけではありません。例えばベトナム、マレーシア、台湾、ブルネイなど。中国のことわざに「殺鶏儆猴」があります。つまり「鶏を見せしめに絞め殺し、猿を怯えさせる」。フィリピンの件で中国政権が送り出したメッセージは「バカな猿芝居を止めたらバナナを買ってやるぞ」です。

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