失敗の理由は?
笹川平和財団上級研究員の小原凡司氏は、「中国は、今年3月及び5月の2回の衛星打ち上げをもって30基の衛星からなる北斗3号システムが完成するとしており、すでに2月14日に、衛星打ち上げ用ロケットが四川省の西昌衛生発射センターに運び込まれている。中国当局による新型肺炎関連の情報統制は、感染拡大の原因の一つとして非難されている。軍の学校や北斗システムへの対応の迅速さは、それとは全く異なる。中国共産党は指導統制の一方で、被害を受けては困る組織やプロジェクトに関しては早期に徹底した対策を講じるという二重の基準を採ったとも考えられるのだ」「3月2日、国営通信社の新華社は『北斗システムのプロジェクトは、新型肺炎感染拡大を食い止めて秩序を回復し、北斗システムの安定運用を確実にしており、発射任務を計画どおり実施する』と報じた」と述べています。
北斗システムの関係者にはいち早く防疫体制(武漢にある海軍工程大学は1月2日に封鎖)をとったようだが、果たして防疫が完全に成功したのだろうか? 打ち上げ失敗との因果関係が気にかかる。
矢板明夫氏は4月22日付産経新聞で
「中国は3月16日、次世代主力ロケット『長征7号』の打ち上げ失敗したのに続き、4月9日には『長征3号B』の発射にも失敗した。米政府による半導体チップなどのハイテク技術製品の中国向け輸出規制の強化が関係していると指摘する声が多い」と述べています。