日韓問題について考える(24)。文在寅政権の反日種族主義。
久保田るり子氏の『正論』新春号への寄稿文「左派メディアの歯ぎしり」からさらに引用させていただきます。
産経新聞記者の李栄薫氏への質問は
「日韓関係悪化の原因となった大法院判決の判決文について、本では『これは事実関係がウソである。検証のしようがない』と書いています。改めて大法院判決についてご意見をお聞かせください。また韓国世論は旭日旗を東京五輪に持ち込むべきではないと主張しているが、これも種族主義なのでしょうか」というものです。
李栄薫氏の答えは
「昨年10月の判決はこれまでの一年間、日韓関係を確かに悪化させました。これは文 在寅政権の強い反日の対応から導き出された判決です。・・・韓国の与党『共に民主党』の党綱領を紹介します。党綱領には『我々は⒊1独立運動の抗日精神を継承する』と書かれています。今の文政権や与党を構成しているのは、小さいときから反日精神を訓練されてきた人々なのです。だから2018年10月の徴用工賠償判決はそのような背景から出たものなのです。旭日旗に対する反応も文政権の与党による 強い反日感情が生み出したものなのです。1950年代から90年代まで、そういった反日感情はなかった。90年代以降に湧き上がってきた強い反日感情が今の韓国政治を動かしていることを理解していただけると嬉しいです」と答えています。
これについて、久保田るり子氏は「回答には若干の解説が必要だ」として次のように述べています。
「『⒊1独立運動の抗日精神』 とは、日本統治時代の1919年3月1日に起きた最大の抗日運動のことで、この日ソウル中心部のタプコル公園(現在のパゴダ公園)で宗教指導者らが『独立宣言』を行い、万歳三唱したことに始まったことを指している。『独立宣言』には、にわかに数千人が集まってソウルは騒乱状態になり抗日デモは全国に広がった。暴徒となった一部は役場や警察、学校を襲撃した。騒乱と鎮圧の攻防は約二ヶ月続き、日本側は軍、警察を動員して鎮圧したため流血事件も多く発生した。事後、日本は六千五百人を起訴、約四千人を有罪としたが、日本政府は死刑などの極刑は科さなかった。逮捕を逃れるため李承晩や金九など活動家や民族主義者らが中国に逃れ上海に集合、『大韓民国臨時政府』を名乗った。文政権と与党『共に民主党』は上海に逃れた臨時政府こそが自分たちのルーツで、日本の敗戦と米軍占領を経た現在の韓国(大韓民国)の建国(1948年8月15日)を『親日派と米国によって作られたもの』として否定的に捉えている。李栄薫氏は文政権の出自を与党の綱領を紹介することで説明した。1919年3月1日の抗日精神を建国の正当性と謳っている文政権は、日本統治時代に日本企業で労働した朝鮮人労務者の全てを『強制労働』による『徴用工』と決めつけており、慰安婦は性を略奪された『性奴隷』との価値観に立つ偏った人々ということだ。現代の大韓民国を思想的に否定する文政権は、日韓関係が基礎としてきた65年の日韓国交正常化や日韓請求権協定を『親日派による間違った歴史』と見る、『小さいときから反日精神を訓練されてきた人々』というわけである」と解説をしています。