大阪都構想の必要性について考える(67)。大阪市の高齢者1人暮らし世帯の割合は全国平均よりも高い。

大阪市の「65歳以上の人がいる世帯」の状況推移は下図の通りですが、

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「65歳以上の人がいる世帯」の中で「高齢者1人暮らし世帯」の割合は42.4%で、全国平均が27.3%であることと比較すればかなり高いことがわかります。

次に大阪市の高齢者の将来推計人口を見てみますと、

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高齢化率は平成25年で25.6%(人口では66万9千人)ですが、これが平成52年には33.6%(77万9千人)になることがわかります。また平成32年までの間に後期高齢者数が前期高齢者数を上回るとなっています。

平成52年の推計による人口構成は65歳以上の高齢者人口が33.6%、15歳から64歳までの生産年齢人口が57.5%、0歳から14歳までの年少人口が8.8%とされています。大阪市の総人口は平成27年の264万人から平成52年には33万人減少して231万人になるとの推計です。参考に大阪万博が行われた1970年(昭和45)の高齢化率は5.9%、生産年齢人口は72.4%、年少人口は21.7%で、大阪市の総人口は298万人でした。

このような少子高齢社会の現状を見つめるとき、河合論説委員が言われるように「これまでの家族像や住まい方にとらわれず新たな支え合いの仕組みを考えるときである」とうなずけるところであります。さらに支える立場でもある行政のあり方も含めて変えるべきところは変えていく。勇気をもって改革と向き合わなければならないと強く思います。

大阪都構想の必要性について考える(66)。少子高齢化を考える。

2月18日の産経新聞に「日曜講座少子高齢時代」と題して論説委員の河合雅司氏の記事が載っていました。この記事では高齢社会の中で大きな課題の一つとして『1人暮らし世帯』の増加問題を取り上げていました。

『1人暮らし世帯』の世帯全体に占める割合は2015年で34.5%、2040年には39.3%になり、「日本は5世帯に2世帯が該当する『1人暮らし社会』を迎える」ということです。高齢者に占める『1人暮らし』の割合は2015年では男性14.0%、女性21.8%ですが、2040年になると男性20.8%、女性24.5%になるということです。

また「世帯主が65歳以上という世帯が全世帯に占める割合は、2040年には44.2%(2015年は36.0%)となる」ということです。

河合氏は「公的サービスをさらに『独居支援型』へと転換しなければ、いづれ行き詰まることだろう」と指摘し、「このまま高齢者の1人暮らし世帯が増えれば社会コストも膨らむ。これまでの家族像や住まい方にとらわれず、新たな支え合いの仕組みを考えるときである」と締めくくっておられました。

「家族像」や「住まい方」の転換、「新たな支え合いの仕組み」など、社会の変革について大胆に言及されておられます。私もその通りだと思います。これまでの社会のあり方さえ変える大胆な発想が必要であると思います。今までの考え方に囚われすぎれば「いづれ行き詰まる」との思いは河合氏と同じであります。

しかし氏の言われる「新たな支え合いの仕組み」には、行政のあり方・仕組みは含まれないのでしょうか。疑問に思うところであります。これほど熱心に少子高齢社会について考えていただいているのですが、こと「行政のあり方・仕組み」の見直しについては、産経新聞は極めて消極的であり、現状を守ろうとしているとしているように感じます。大阪では河合論説委員と、かなりかけ離れた認識による報道がなされているようにしか思えません。なぜなのか私には全く解せないところであります。信頼する産経だけに残念であります。

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