大阪の都市制度改革の必要性について、前橋下市長の言より。(2)

この区CM制度につながる区役所改革については、当時民主党の会派(OSAKAみらい大阪市会議員団)も評価しており、松崎孔元議員は「前平松市政においても区政改革は大きな課題とされ取り組まれてきましたが、これまで区政改革を阻んできた大きな原因が、大阪市役所の抜きがたい中之島中心主義にあったのは明らかです。橋下市政が中之島中心主義から区役所中心主義への市政運営を進められることは地域主権、都市内分権に沿ったもので、大いに期待をいたします」(平成24年1月)と述べています。広域行政と基礎自治行政について、前橋下市長は「広域と基礎はどう分けているのかということなんですが、これは今の都道府県や市町村という行政の枠組み、これにとらわれません。この都道府県や市町村という行政の枠組みは、基本的には明治時代にできたもの、廃藩置県によってつくられたものが今の都道府県、市町村の枠組みですから、これを一旦ゼロベースで考えて、一定の都市のまとまりとして行政をやらなければいけないものが広域行政、そして、一つのコミュニティーとして行政をやらなければいけないものが基礎自治、基礎行政だというふうに考えております。・・ですから、今の僕の定義でいきますと、この大阪市というものは完全に基礎自治体ではありません。もうコミュニティーの範囲を超えてしまっています。だからと言って都市のまとまりと言えるかといえば、都市のまとまりとしては、今の大阪の現状を見ればもう小さすぎます。大阪府域全体の中で大阪市内に住んでいる人口、これはもう3割に満たないんです。事業所集積も通勤圏を見ても、大阪市内の中でもう固まっていた時代は大正時代までです。大正時代までは大阪府域内の人口のうち7割が大阪市内に住んでいましたから、大阪市というものが一つの都市のまとまりとして広域行政を担えたんでしょうけれども、都市というものは生き物ですから外に広がって、一つの都市のまとまりというものは今や大阪府域になっているんではないかと思っています」(平成24年1月)。

大阪の都市制度改革の必要性について、前橋下大阪市長の言より。(1)

大阪市が現在有する基礎的自治体としての根本的な課題について、「市長になりまして感じるところは、これは大変な仕事だと。・・・260万人の大都市大阪ということになりますと、人口規模で広島県や京都府と同じ。その京都府や広島県の知事が市町村長の業務まで全部引き受けてやっているというようなことが、この大阪市長の職でありまして、これは仕事の役割分担をやらなければ、とてもじゃありませんが仕事などできません。単なるお飾り市長として地域行事の挨拶ばっかりするような市長であれば、まあそれでも務まるんでしょうけれども、本気で市長の業務をやろうと思えば、これは知事の仕事と市町村長の仕事ということを分けなければ、とてもじゃありませんが、市長の仕事などできません」(平成24年1月)と述べています。今出来る区役所改革が必要ということになりますが、「・・住民自治の盛り上げという御指摘なんですが、この点は一番僕が意識しているところでありまして、区長を局長よりも格上げするということで、これは今までの区役所改革の考え方から抜本的に発想を転換しています。区役所にどういう仕事を渡すのかということではなくて、区長にも決定権を渡すという発想です。・・・このような区長が誕生しますと、住民の皆さんは区長に集まってきます。区長に決定権があるということになれば、自分たちで決められるんだということになります」(平成24年1月)。このことが区CM制度の始まりとなっていきます。