『私たちはNHKに国民への謝罪を求めている』(産業情報遺産センター長)ーNHKドキュメンタリー「緑なき島」の坑内映像捏造疑惑ー

5月30日付の産経新聞に『久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ』ーNHKの捏造疑惑暴く、軍艦島は地獄島ではないーという記事が掲載されていました。この中で以下のように述べられていました。

端島炭坑を扱った昭和30年のNHKドキュメンタリー「緑なき島」で、一部に端島ではない別の炭坑の映像が使われていた「捏造」疑惑は、情報センターが元島民の証言を元に検証したことで明るみに出た。

軍艦島を有名にしたのは、狭い坑内でフンドシ姿で採炭する炭鉱労働者の映像だ。この映像は「朝鮮半島出身者の地獄島での過酷な労働」として韓国のテレビ各局が使い、韓国・釜山の「国立日帝強制動員歴史館」にも展示され、徴用工のシンボルともなった。

加藤氏(産業遺産情報センター長)が「緑なき島」を知ったのは偶然だったという。戦時中の炭鉱に詳しいカメラマンから「緑なき島」のことを聞き、上映会を催したところ、元島民が炭鉱のシーンは「誰が見ても端島ではない」と言い出した。坑内の様子が端島とは全く異なった。炭層の高さが異なり、映像の炭鉱労働者は現場で全員が着けるはずのキャップランプ(頭につける照明灯)を着けていなかった。端島では全員が作業着だったが、映像はフンドシ一丁だった。これらは全て当時の「保安規定違反」だった。

炭鉱のシーンは、ガスが濃く危険な端島炭鉱で撮影できず、別の炭鉱の映像が使われた可能性があった。しかし、「緑なき島」の裸同然で働く炭鉱労働者の姿は、端島炭鉱こそが朝鮮半島出身者の「徴用工の地獄島」だという印象を世界に広める元になった。

昨年11月20日、元島民の「真実の歴史を追求する端島島民の会」がNHKに抗議書兼要求書を提出。「いかに事実と異なるか」を指摘し、徹底的な調査と事実公表、訂正報道を求めた。しかし、NHKは「ご指摘のような別の炭鉱で撮影された映像が使用されたという事実は確認されなかった」と否定。今春から国会で青山繁晴、山田宏両参議院議員が相次いで質問したことで、NHKはようやく前田晃伸会長が「自主的、自発的、自律的に確認作業を行う」と検証を約束したが、その作業に元島民を加えることを拒んだ。

加藤氏は「韓国には徴用工を戦時捕虜だとする極論もある。南ドイツ新聞は『端島で1000人が閉じ込められて爆殺された』とまで書いた。そのイメージを作ったNHKには責任がある。私たちはNHKに国民への謝罪を求めている」と話す。

山田宏参議院議員の質疑、HHK「緑なき島」坑内映像捏造疑惑を追及(3)。“外部の有識者では駄目、元島民の人を呼んで検証すべきだ”

【山田宏参議院議員】今会長がおっしゃったことを、もう一回確認いたしますけれども、これからは有識者の人の意見も聞き、そしてさらに関係者つまり元島民の人たちに、納得が得られるように努力すると、こうお話になりましたが、もう一度再確認します。

【前田日本放送協会NHK会長】お答え申し上げます。ただいま申し上げましたとおり、現在のNHKの制度ではいろんな番組をチェックする機構がありますけれども、今回のこの66年前のは、その委員会とか機構を使ってやるにはちょっとふさわしくないと思いますので、基本的にはやっぱりNHKの人でない外部の有識者、立派な方にしっかりと、ちょっとこの我々が検証したプロセス、これで本当に良かったのかと、努力が、しっかりやっているのかどうか、そういうのを含めて、ちょっと調査をさせたいと私は思っております。

【山田宏参議院議員】半歩前進なんですけれも、なぜ半歩かというと、有識者じゃダメなんです。有識者はNHKが選ぶわけなんです。だから、内部の人間なんです。いわば、どっちかというと。NHKに委託されて委任されて有識者なんでしょ。委任されて有識者に入るわけでしょう。そういう委員会作ったら。そうじゃなくて、元島民の人が働いていた人が、こんな場所はないんだと、他はみんな「緑なき島」は、他の映像はみんな端島の映像です。いいドキュメンタリーです。素晴らしい作品ですよ。しかし坑内映像が、今韓国によって、強制労働、奴隷労働の証拠として使われて、島民の人たちは、これは端島の映像じゃないと、島内映像じゃないと、ここだけは、そう言い張っているわけです。その有識者に聞かれたってわからない、有識者は。元島民ときちっと、元島民の方に入ってもらって、入ってもらって、そして、元島民の人も、何も親の敵じゃないんだから、元島民の人にも入ってもらって、それで私はこう考えるけれども、あなた方、納得してくれませんかねと、この映像、どうでしょうかと、それくらい、公共放送なんだからやってもいいじゃないですか。ずっとそんな、木で鼻を括ったような答弁を続けていくと、ずっと国会に呼ばれますよ。私は、元島民の人がなるほどねと、NHKも努力してくれたねと、なるほどこの映像はそうかねということで、ああ、これは知っている、知っているよと、こういうようなことでやる。そんな有識者を呼んでやるというようなことは、まどろっこしいことはやらないで、元島民の人を呼んで、一緒になって検証したらどうでしょう。

【前田日本放送協会NHK会長】お答え申し上げます。前の国会でも申し上げたんですけど、これまで、島民の会の代理人の方から元島民の方々とは直接連絡取らないようにと強く要請された経緯がございまして、NHKはそれを尊重して、直接やり取りすることはこれまで控えさせていただいております。ただ、先生御指摘のようなこともございますし、島民と一緒に検証を行うべきではないかという、ご意見もいただきました。ただこの件に関しましては、具体的な対応、これからになりますけれども、放送の自主自律の観点から、確認作業は基本的にやっぱりNHKが自主的、自発的に、自律的にやるのが筋だと私は思います。

【山田宏参議院議員】そんなの駄目です。66年前ですよ。誰もわからないんです。働いていた本人が違うと言っているんですよ。本人たちは。