秋山好古の言葉ー『坂の上の雲(3)』p90(司馬遼太郎)より

秋山好古(日露戦争当時、日本陸軍少将、騎兵第一旅団の旅団長)の弟・真之への言葉

「さらに好古はやや遺言めいた重要なことを書いている。『国家が衰退するのは、つねに上流社会の腐敗よりおこる』。上流社会の定義はさておくとして、この当時の日本は陸海軍の佐官以上の家庭はその収入はべつとして、上流社会に属していた。好古は自分も真之もそれに属しているとして書く。『自分の多年の宿論としてそろそろこの社会からひきあげて閑居したい』。つまり少将になったことはたいそうな栄達で、これ以上は栄達すべきでない、という意味であろう」。

 

経済安全保障担当大臣・高市早苗衆議院議員の「さっぽろ自民党政経セミナー2024」(2024・5・18開催)より一部紹介します(4)。

【高市早苗】次にですね、皆様にお願いをしたいのは、今回の法律の対象はあくまでも、国が保有する情報なんです。国が保有する情報、ですから日本国政府が独自に分析をしたりして持っている情報だったり、あとは外国政府から、同盟国や同志国から、今日本危ないことになっているよということで提供された情報なんです。ようは国が保有する情報、だから民間事業者が最初から持ってた技術とかそういうのは当然対象外。国立研究開発法人も実は対象外。ここはいろいろ議論があったんですが、むかし行政改革があって、独立行政法人というのができて、国立研究開発法人も独立行政法人の中に入っています。独立行政法人の通則法というのがあって、これは本来は必要なサービスなんだけれども、必ずしも国がやる必要はなくて、かといって民間にすっかりお任せしたらやってもらえないかもしれないことをやっていただく。それが独立行政法人。だからいろんな研究所もありますし、その他のサービスをしているところもある。だから今回の経済安保版のセキュリティクリアランス制度の対象外なんです。そうすると国立研究開発法人にお勤めの方々、それからできましたら大学などの研究機関の方々で、民間企業で研究されている方々に、研究者だけではなく経営者の方に、特に心に留めて頂きたいのは、大事な本当に重要な「営業秘密」、これは営業情報も営業秘密に入りますが、技術情報も重要なものは営業秘密に入ります。これらは「不正競争防止法」をしっかりと活用していただきたい。ということです。不正競争防止法のほうが実は今回新しく成立した法律よりも、漏らした場合の罰則はきついです。10年以下の懲役が最高刑。今回、私が国会の皆様にお世話になって、成立させていただくことができた重要経済安保情報の保護及び活用の法律、これは重要経済安保情報を漏らした場合の最高刑は5年の拘禁刑です。懲役と拘禁刑の違いは、皆さんもお分かりだと思いますが、来年の6月から刑法が変わりますよね。改正刑法で、懲役刑っていうのがなくなって、拘禁刑というのになりますんで、それで今度は拘禁刑となっているんですが、不正競争防止法の方がはるかに罰則としてはきついんですね。ただやっぱり自分のところが持っている大事な研究開発した情報とか技術、それから営業先の大事な情報、これを辞めた従業員に持ち出されないように、もしくは現役の従業員の方が、よそに売り飛ばしてしまわないように、そういうふうにして秘密を守っていくためには3つの要件を満たしていただく必要があります。

一つ目の条件というのはこれは「秘密管理性」と言われます。要はこれは営業秘密、うちの会社にとって、またうちの研究所にとってものすごく大事な営業、もしくは技術上の秘密です、というだけの管理をしていること、ようは誰でも見れると社員が、そうじゃなくて、特定の方のアクセスできる重要な情報として管理している。「秘密管理性」っていうのが一つございます。