(3)中国共産党は世界平和家庭連合(旧統一教会)をどのように見ているのだろうか?

【安倍晋三狙撃事件が鳴らす警鐘】

統一教会は、創設後まもなく、韓国文化自由財団を含む反共産主義グループの支援を開始し、アメリカの「ラジオ・フリー・アジア」に資金を提供した。

さらに統一教会は台湾問題に干渉し始めた。2009年には、台北で世界平和同盟及び台湾当局との会合を開催し、台湾がより多くの国際事業に参加すべきだと訴えた。文鮮明のコントロール下にある「ワシントンタイムズ」は、中国本土が台湾を「攻撃」しようとしていると宣伝し、常に「中国の脅威」を誇張することに専念している。

「中国版反邪教網」の情報によれば、1978年の改革以来、統一教会は、中国に定着して拡大しようとし、投資支援、観光、訪問などの名目で中国に頻繁に浸透し、中国にの根を下ろそうとしてきた。

特に統一教会の関連組織「国際教育基金会」は、文化交流と教育協力の名の下に、たとえば、「北京、天津、広州、瀋陽、西安など」中国のいくつかの都市に浸透しようと試みた。統一教会が設立した韓国の鮮文大学も、中国の大学と協力して中国人学生を統一教会の会員にさせるべく勧誘活動を行い、香港やマカオにまで魔の手を伸ばそうとしていた。

それに対して1997年5月、中国公安部は統一教会を邪教(カルト)に指定した。1982年にシンガポール政府も統一教会をカルトとして分類して禁止し、キルギルスタンはまた、統一教会がその境界内で活動することを禁じている。1995年の終わりに、英国内務省も文鮮明の国内滞在の禁止を発表した。

しかし最も深く政界に浸透しきっている日本は、統一教会という邪教に無防備だった。いくつかのメディアや統一教会被害者対策弁護士会が訴えても、日本社会は無頓着で、安倍元首相暗殺によって初めて統一教会という邪教の存在に目を向け始めた。

一方、断固たる取り締まりなどの様々な措置を講じてきた中国では、今になってその取り締まりの正当性が脚光を浴びている。潜在的「安倍暗殺事件」は、今後は世界中の政府がカルト活動を真剣に重要視すべきであることを示している。

以上が「環球時報」の報道の概要である。

【安倍元首相射殺事件は「中国邪教網」の中で扱われている】

中国にはかつて法輪功を取り締まる「610弁公室」というのが公安部の管轄下にあった。しかしそのトップにいた周永康が汚職で逮捕されると、その部下である610弁公室の主任だった李東生も腐敗で捕まり、同時に公安部管轄下の中国反邪教網が設立された。現在、安倍元首相射殺事件のほとんどは、以下に示すように、このウエブサイトで報道されている。

以上。

 

 

(2)中国共産党は世界平和家庭連合(旧統一教会)をどのように評価しているのだろうか?

【日本の自民党との緊密関係は公然の秘密】

自民党の極右勢力で、第二次世界大戦中の日本のA級戦犯でもある、安倍晋三の祖父・岸信介元首相は、統一教会と特別な関係を持っている。

AP通信は、日本の統一教会の本部がかつて岸信介の東京の住居の隣にあったと報道している。岸信介と文鮮明は一緒に写真を撮り、公開した。安倍元首相を殺害した山上徹也容疑者は、統一家庭連合を日本に持ち込んだ岸信介を恨み、安倍晋三も組織に関連しているとして恨んでいたという。

日本の弁護士で宗教事件の専門家である紀藤正樹氏は「当時の日本の指導者たちは、統一教会を日本の反共産主義的見解を促進するためのツールと見なしていた」と述べている。韓国の「漢民族日報」の最近の報告によると、岸信介は1970年代に自民党が「スパイ防止法」などの反共産主義に関する立法の過程で、財源と世論を獲得するために、日本統一教会が組織する「国際勝共連盟」を積極的に利用したという。

何十年もの間、統一教会の関連組織と与党自民党議員との関係は絶えず発展し続けており、統一教会は自民党に確固たる政治的支持と票田を提供し続けてきた。

1986年、統一教会の公式新聞である「思想新聞」は、「日本の選挙で、統一教会に関係する130人が衆議院議員と参議院議員に当選した」と報じている。また日本の「週刊現代」は1999年に「多くの日本の議員が国際勝共連盟の活動に参加した」ことを明らかにした。その報道によれば、「二十数名の議員の事務所には、少なくとも1人の統一教会のメンバーが張り付いていた」とのこと。

統一教会被害者対策弁護士会の渡邊博氏は、「調査の結果、100人以上の統一教会のメンバーが日本の国会議員の秘書を務めた経験を持ち、彼らが奉仕した議員の言動を逐一、統一教会に報告していた」と述べている。一部の秘書に至っては、国会議員からではなく、「国際勝共連盟」から給与をもらっていたとのこと。

安倍元首相が二度目の政権を握った後、自民党と統一教会の関係はさらに緊密になった。統一教会被害者対策弁護士会は、「安倍政権では統一教会関係者に重要な責任を委ね、自民党員の多くが統一教会の活動に公に参加した」と述べた。なぜなら、統一教会は信者に特定の議員に投票するように指示するからだ。

2021年9月、統一教会の支部が仁川でイベントを開催した際、安倍元首相はビデオでスピーチし、統一教会の長と他の出席者に「敬意」を表した。いくつかの日本のメディアは、この出来事が、容疑者・山上徹也が、安倍元首相が統一教会と関係があると信じ、彼を殺害することを決意した理由の一つであると報じている。

【アメリカ議会の議員は教主とその夫人に金の冠を与えた】

1972年、文鮮明はアメリカに移住し、統一教会はアメリカで大規模な活動を開始した。ニューヨークタイムズによると、統一教会が最初に米国で発展し始めたときはカルトとみなされていたと報じている。

ところが、アメリカの政治や娯楽界の有名人を統一教会関連のイベントに招待し、大量の資金を注ぎ始めてから事態は変わっていった。

AP通信などによれば、統一教会がニクソン、レーガン、ブッシュ、トランプなどの保守派の歴代大統領と密接な関係を築いてきたが、最初のきっかけはニクソン元大統領が「ウオーターゲート事件」で困窮していた時に、ニクソンを助けたことだったという。徹底してニクソンを支持するための大規模集会を開催し、ニクソンを窮地から救ったのだという。

そのためか、2004年3月23日、アメリカでは奇妙な出来事が起きた。なんと、「平和賞デイナー」と呼ばれるイベントが米上院議員会館で開催され、多くの米議会議員が出席する中、イリノイ州の民主党員であるデイビス議員が白い手袋を着用し、文鮮明と彼の妻の頭に2つの金の冠を載せたのだ。