30年前、平成元年10月25日の毎日新聞一面記事です。

この当時の総理大臣は海部俊樹氏です。

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記事によれば、「臨時行政改革推進審議会(新行革審)の『国と地方の関係等に関する小委員会』(瀬島竜三委員長)が11月末にまとめる報告書素案が24日明らかになった。『現在の国と地方の関係、地方制度は情報化、都市化、老齢化、国際化など情勢の変化に対応できず制度として限界に達している』と分析、『国を数ブロックに分けた広域的な新しい行政主体の創設を含めた改革が必要』として、当面の課題として地域中核都市の行財政基盤の強化、府県連合制の導入・合併促進策の整備を打ち出したうえで、将来構想として『道州制に関する長期的検討』を提言している」と。

30年前に行政改革審議会答申で長期的検討課題として位置付けられた「道州制」ですが、未だに国会では議論された様子はありません。30年前に現行の制度は『限界に達している』と指摘されているのにもかかわらず、国会は無視を続けてきたということです。何のための答申だったのでしょうか。

同記事には「道州制に対しては、小委の自治体出身委員や全国知事会から反発の声が出ている」とも書かれていました。

長谷川慶太郎氏、『共産主義を捨てて資本主義の方向へ進まないと中国は崩壊する』

これからの中国はどこに向かって進んでいくのか。国際エコノミストである長谷川慶太郎氏の本から読み解きます。

【共産主義を捨てて資本主義の方向へ進まないと中国は崩壊する】(2018年2月28日『日本の難題』長谷川慶太郎著 徳間書店より)

「習近平総書記はこのまま共産主義路線を突っ走る。だが、本当にそうなのだろうか。筆者の考えは違う。表向きには共産主義を維持するために内部の規律を強化しているように見えるが、実際には共産党は共産主義から離れていく。というのは、共産党が共産主義にこだわっていたらソ連と同じことになるからだ。つまり中華人民共和国が崩壊する。習近平総書記にはそのことがよくわかっている。ではどうするかというと、習近平総書記は中国を資本主義の方向へ持っていくつもりなのである。中国が崩壊しないためには共産主義を捨てて資本主義化するしかない。これは決して主観的にプラスかマイナスかという判断の結果ではなく、客観的な情勢の流れとして中国は資本主義の方向に進むしか手段がなくなったということだ。習近平総書記は共産党トップでありながら、今の共産主義から資本主義へと中国を切り替えるという責務を負うことになってしまった。また、責務を負うために習近平総書記は党大会で一強体制をつくり上げたといいてもいい。今の習近平体制は中国を資本主義に移行させるための一つの過渡期に置かれている。だから習近平総書記も、後継者を常務委員に入れられなかったというより後継者を選ぶことができなかったのである」。

【共産党政権維持のために習近平思想で資本主義自由経済を促進する】(2018年6月30日『習近平の真意』長谷川慶太郎著  徳間書店より)

「しかし、習近平思想が目指しているのは社会主義ではない。それとは正反対の資本主義自由経済なのである。つまり、習近平総書記は、資本主義自由経済を取り入れる以外に共産党の統治体制を維持する手段はない、ということを習近平思想という形で貫徹しようとしているのだ」

【中国崩壊を防ぐために共産主義を捨てて資本主義自由経済へ進む】(同上)

「だから、前述したように習近平総書記は中国を資本主義自由経済の方向へ持っていく」「2002年の第16回大会で資本家である企業経営者にも入党を許すことになった」「今回の党大会でも約200人の中央委員会委員の中にも多数の資本家が選ばれたのだ」「全人代には約3000人の代表がいるが、そのうちの35%が資本家だ」「とはいえ、共産党が共産主義を捨てて資本主義自由経済へと進むのは奇妙で矛盾しているから、8900万人の共産党員の多くは喜ばない。それに、共産党員の大部分を占めている農村部の共産党員達は依然として毛沢東思想に染まっている。だから、こういう人々に共産主義を捨てさせ資本主義自由経済の転換を認めさせるには、党の指導権を習近平総書記の個人独裁の形で強権化する以外に手段はないのだ。逆にいうと強権化して資本主義自由経済の改革を進めていかなければならない」

【中国にも選挙で政治指導者を決める時代が10年ほどで訪れる】(2018年10月31日『対局を読む』長谷川慶太郎著 徳間書店より)

「ただし中国が資本主義自由経済の下で市場開放をしていくと、外国人がどんどん入ってくる。アメリカや日本、ヨーロッパの民主国家の外国人も増えていく。そのときにはやはり中国の民主化が問題になるに違いない。この民主化とは平たく言えば、選挙によって政治指導者を決めるということだ。おそらく、そんな時代が10年ほどすると中国にも訪れる可能性が高い。習近平総書記自身は、中国の資本主義自由経済は民主化までたどり着くことも想定しているはずだ」。