大阪市営交通事業の民営化について考える(4)橋下前大阪市長の発言より

「民営化のメリットというところがまだ伝わっていないというのは非常に残念なところではあるんですけれども、まず第一に、事業においては、民間の感覚でいわゆる収支を合わせる経営の部分と、それから不採算だけれどもしっかりやらなければいけない公のサービスの部分、ここをしっかり分けるというところが重要だと思っています。・・・・僕も含めてですが、公選職である我々がそのような交通事業について口を出すなんていうことをやるから事業体がおかしくなっちゃうわけです。それは、もう皆さんご存知の通り、住民の声、いわゆる政治ですね、そういうことによって路線のひき方、こういうところに影響が出てしまう。議会のほうで決議を出すというのは、交通のプロでもない議会が路線について決議出してどうするんですか。そういうことを早くやめさせる、議会のほうからのそういう関与というものを交通事業体からなるべく離させることが重要だという思いで民営化ということがあると思っています。ただ、市民の足とか、公が関与しなければいけない部分については、当然これは我々公選職が出て関与して、いろいろ声を上げていかなければいけない。そういう部分をきちっと分ける。・・・・ですから、事業をしっかり分けて、政治が関与する部分としない部分を分ける。通常の経営の部分については政治は関与しない。政治が関与する部分は、ある意味、公がお金を投じて経営とは別の観点で、市民の足を確保する部分に政治というものが関与していくべきではないでしょうか。そいうい意味で民営化というものを打ち出したところであります。・・・真に必要な地域の移動手段を途切れるさせることなくしっかりやっていかなければいけない点は、議会からいろいろ御指摘いただいている通りでありますが、やはり交通事業というものは、最初のイニシャルのとき、だれも事業の担い手がいなかった場合、資金を集めることができない場合には公がやらなければなりませんが、ある程度軌道に乗れば、これは経営でやっていかなきゃいけない。そうなれば、もうそれは政治から切り離していかなければいけない。それは国鉄にしたって何にしたって全部そうですよ。JALにしたって何にしたって、政治が事業に関与したらろくなことが起きませんよ。ですから、政治から事業は切り離す、そういう意味で民営化はしっかりやっていくと。しかし、不採算部門で、事業経営とは別の観点で、どうしても市民の足のために移動手段を確保しなければいけないというところは税を投入する。税を投入する以上は、これは民間事業の感覚ではなくて、住民代表である議員の皆さんに関与していただく。こういう切り分けをやるために民営化というものが必要不可欠だと思っています。」(平成24年9月第3回定例会)

大阪市営交通事業の民営化について考える(3)橋下前大阪市長の発言より

「これは何が問題かというと、やっぱり行政が携わっちゃいけません、地下鉄の事業なんかに。行政とか、むしろ議会もです。僕らは、そら鉄道事業体について素人なんですから、経営者でも何でもないのに、こうせえ、ああせえとか、いろんなことを言えば言うほど、健全なる鉄道事業体というものの経営が害されていくと思っています。ホーム柵の設置とか安全性にかかわることも、私鉄でもしっかり考えています。しかし、どこまでのレベルをどこまでやらなければいけないのかというのは、やっぱりそれは経営判断の中でしっかり考えられるようなものであって、つけろ、つけろと言うのは簡単ですけれども、それは大変な投資額にもなるし、もちろん地下鉄の鉄道事業体としての営業、これがもっと市民還元できるようなことについての投資ができないというような、負のスパイラルに今陥っていますね。・・・・・今のままだったら、地下鉄も、バスは特にそうですけれども、営業が成り立ちませんし、じゃ、どこまで公費でやり続けるのか。バスなんていうのも、見ていただいたらわかりますが、路線が余りにも不合理な、これはもう議会の皆さんにもわかっていただきたいんですけど、路線の整理をするのに、議会がストップをかけてたところもあると思うんですよ。地下鉄の沿線が伸びてきたのに、そこに重なってバスの路線が残っているというのは、これは整理がし切れなかった。それは、住民の意向とかいろんなことの声でバス路線というものがやっぱり整理できなかったというのは、これは行政や政治が介入した負の典型例だというふうに思っていますので、早くこういう現業事業体というものは行政とか政治から離れたところで合理的な経営をやっていただいて、民営化したその企業が担えないところを公がやるべきかというふうに思っております。」(平成24年7月第1回臨時会)