お見事「産経抄」。

平成29年6月18日付けの「産経抄」。お読みの方も多いことと思われますが我が心に刻むためにも紹介させていただきます。

『自分たちの過去の言動は忘れ、高飛車に他者を非難する。そんな新聞や野党の二重基準には、つくづくうんざりする。学校法人加計学園の獣医学部新設計画をめぐり、義家弘介文部科学副大臣が、文書を流した文科省職員を守秘義務違反で処分する可能性に触れたところ、袋叩きにあった件である。

「政権は文書の存在を語る者の口を封じるような行いさえした。・・・考え違いも甚だしい」。16日付け朝日新聞社説がこう批判すれば、同日付毎日新聞社説も息を合わせて糾弾する。「告発への威嚇ともとれる発言だ。政と官の関係のゆがみの表れだろう」。

民進党の蓮舫代表も「保護しないといけない者を処分の対象とする。安倍晋三内閣の姿は、絶対に許してはいけない」と息巻いていた。われこそは正義の味方とばかりにかさにかかっているが、御都合主義が過ぎる。

平成22年9月に尖閣列島沖で、中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりする事件があった。当時の民主党の菅直人内閣は海保が即日公開する予定だった衝突映像を隠蔽したため、海上保安官だった一色正春氏が義憤にかられ、映像をインターネットに流した。

この時、朝日社説は「政府や国会の意思に反することであり、許されない」、毎日社説は「国家公務員が政権の方針と国会の判断に公然と意を唱えた『倒閣運動』でもある」と決めつけた。菅内閣の仙谷由人官房長官は「由々しき事件だ。徹底的に調べないといけない」と強調していた。

菅内閣の「ご意向」に反する公務員はけしからんと説いた新聞が、今では文書を漏らした職員を英雄扱いして持ち上げている。民進党ともども前非を悔いて、一色氏に謝罪して出直したらどうか』。

朝日、毎日、民進党、そして共産党。悪の徒党を組んで日本を混乱させようとする企みを窺い知ることができます。恐ろしや、怖ろしや。

大阪の都市制度改革の必要性について考える(47)。恐れの根底に何があるのか?

自民党が都構想に反対する理由について過去の議会での発言を中心に見てきました。もっともと思える理論展開はなく、ことごとく橋下市長に打ち負かされていたように思います。ただ彼らの主張の根底に、大阪市が政令指定都市であることに対する思い入れと、政令指定都市であり続けたいとの強い思いが感じられます。しかし、なぜ政令指定都市であり続けなければならないのかについては理論的説明はなく、たんに感情的に都構想批判に終始しているだけのように思われます。

このことは京都大学大学院教授の藤井聡氏の主張にも見て取れます。氏は新経世済民新聞への寄稿文の中で「そもそも『都構想』が実現されれば、『大阪市が廃止されます』。一方で『住民投票』がなければもちろん、『大阪市の廃止』という事が起きるはずはありません。ということは『公明党・大阪市議団』は今、『大阪市が廃止』される『恐ろしいリスク』を生み出している、ということになります」「大阪が破壊され、日本が破壊されかねない恐ろしい帰結がもたらされかねない」などと極端に不安を煽る発言をしています。大阪市役所が特別区役所に再編され、大阪府庁が大阪全体の広域行政を担う新たな役所に生まれ変わることに対して、異常なまでに恐れ嫌っていることがわかります。

この両者に共通していると思われることは、大阪市役所が大阪府庁に勝るとも劣らない広域行政の「権限と財源」を有している今の政令指定都市制度に極めて高い執着心を持っているということであります。彼らにとって大切なのは、二重行政の解消によって税金の無駄使い(無駄な公共事業・ハコモノの建設・土木事業など)をなくすことではなく、また特別区制度導入によって住民自治を拡充することでもなく、政令指定都市が持っている「権限と財源」を今まで通り温存し、今まで通りその「権限と財源」に影響力を行使したいということに、ここに関心が集中しているのではないかと思われます。広域行政の「権限と財源」が大阪市役所の手から離れ、新たな役所に移ることを極端に嫌がっていることがわかります。京都大学、大阪市役所、天下り企業、天下り団体、何かあるのかと疑いたくなります。都構想が実現すれば政令指定都市が有していた広域行政に関する「権限と財源」が新しい役所に移りますので、このことが『恐ろしいリスク』とか『日本が破壊される』というような表現につながっているように思われます。自民党市議団からも都構想に対して、『大阪府の子会社化』とか『大阪府の植民地にでもするかのごとくの構想』などとの発言も飛び出してきております。「権限と財源」を今のまま温存したいという思惑がよくわかります。

また都構想が実現すれば、大阪市役所が特別区役所に再編されることにより大阪市役所がなくなり、また大阪市議会もなくなります。当然大阪市会議員という身分も無くなります。大阪市会議員は新たな挑戦をしない限り失業ということになります。都構想はこのように大きな変革を伴う都市制度改革でありますので、これを嫌悪するという感情もあるかと思われます。

以上私の推論ということになるかと思いますが、皆さんはどう思われますでしょうか。