今、注目の共産主義について考える(70)。中国、終わりの始まりか?

中国では、全国人民代表大会で憲法が改正され国家主席の任期制限が撤廃された。産経新聞によると主席任期撤廃案が出された時点では、ネットでの批判がそうとう拡大していたようだ。同新聞によれば「国内のインターネットでは隠語を用いて検閲をかいくぐる批判が拡大し、当局は憲法に関する議論自体を禁止する通達を出すなど言論統制を強めている」「暗黒を支持するな」「改憲案が発表された翌2月26日、湖北省・武漢大学の中国版ツイッター『微博(ウエイボ)』のアカウントに投稿された内容が話題を呼んだ。憲法改正で習近平国家主席の『終身制』に道が開かれた中国社会を『暗黒』と表現し、 反対の意思を示すよう広く呼びかけたとみられる。投稿は当局に削除された」「ネット上では、1913年に中華民国の初代大総統に就任し、その後帝政を実施しようとして失敗した『袁世凱』や、皇帝即位を意味する『登基』、歴史の逆走を意味すり『倒車』、習氏と容姿が似ているとされる『くまのプーさん』などの言葉を使った改憲への批判が広がったが、いずれもネットで検索できなくなった」ということのようです。言論の完全な封殺であります。

もし日本でこのようなことがおこれば、マスコミや国会は大騒ぎ、政権は崩壊し、その政党の支持率はゼロとなり消滅することでしょう。

そこで思い出すのは、ちょっと古い(2014年6月)話になりますが、国際エコノミスト長谷川慶太郎氏の著書に記された言葉です。「しかし、権力を自分に集中させるということは、逆に基盤が弱いからなのです。基盤が強く、しっかりとした体制が取れているのなら、自分に権力を集中させる必要はまったくありません。基盤が強ければ権力を分散できるのです。基盤を強化するために権力を集中させれば、させるほど権力は弱体化している状態なのです」と語られています。

産経新聞のこの記事を読んでいて、何か「終わり」が始まったように感じてなりません。言論の封殺を永遠に続けることはできません。中華人民共和国が誕生して今年で69年。国民の期待を裏切り、今や民心を完全に失った共産党独裁政権は、果たして建国70年を超えていくことができるでしょうか。

 

大阪都構想の必要性について考える(72)。産経新聞は一面を使って報道。

3月4日の産経新聞は24面の全面を使って、大阪府議会や大阪市議会で議論されている新たな大都市制度について大きく報道してくれました。当然といえば当然なのですが、議会で議論されている新たな大都市制度、「総合区制度」と「都構想」について一面を使って報道されたのは大きく評価したいと思います。

「なぜ現行制度の改革が検討され続けているのか」という命題は最も市民・府民が関心を持たれていることのひとつだと思います。これについて「要因の一つには、平成27年5月に行われた大阪都構想をめぐる最初の住民投票では否決ながら賛否が拮抗し、『何らかの改革が必要』と考える市民が一定数存在することが明らかになったことが挙げられる。背景には、政治や経済の東京一極集中が進む中、『いち地方都市』として埋没しかねない現状と危機感がある。大阪府市は東西二極の一つとして『副首都』を目指すため、都市機能強化につながる制度改革が必要としている」と記されています。

もちろん間違いではないのですが、紙面の量も含めて、新たな大都市制度を議論する背景の説明としては十分ではありません。住民自治の課題や人口減少や少子高齢化時代に行政はどのように向き合っていくべきなのかといった、議論の背景には深いものがあります。さらに、これまで大都市制度のあり方について大阪府議会や大阪市議会ではどのような議論がなされてきたのかなど。

それぞれの課題について特集を組んで報道していただきたいと強く願うものです。僭越ですがそれは報道機関の社会的責任であるように思います。市民・府民が適切な判断ができるように、さらなる報道機関の取り組みを期待しています。しかしまずは、産経新聞に感謝いたします。