日韓問題について考える(7)。韓国での新しい保守の動きに期待します。

産経新聞11月5日、「加藤達也の虎穴に入らずんば」に最近の韓国の思想的、政治的動きについての記事が載っていました。それによると、

「韓国で今年、『反日種族主義』という本がベストセラーとなり大きな話題となっている。今月には日本語版も出されるが、元ソウル大教授の経済史学者、李栄薫氏らが日本と朝鮮半島の近現代史について、一次資料に基づき実証的に調査。慰安婦や徴用工の問題を検証して、韓国で信じられる虚偽に反論する。これは、日韓関係を危機に陥れた文政権の“功績”なのだが、韓国では正確な事実に照らして日韓史を捉え直そうとする波が立ち始めている」と、韓国での新しい動きを紹介しています。「10月25日、ソウル中心部の光化門広場で保守団体が集会を開いた。太極旗のほかに星条旗も振りながらの示威。既に10月に『50万人集会』を2回実施、文氏の側近、曺国氏を法相辞任に追い込んだ実績を誇る」と。

このように韓国では歴史の事実を正視し、今まで韓国で教えられ、信じられてきた慰安婦問題や徴用工問題などの歴史の“歪曲”、あるいは歴史の“虚偽”に対して反論する本が韓国の保守派教授陣たちによって出版されベストセラーになっているという。

その本の執筆者の一人、李栄薫元ソウル大学教授は、今の大韓民国は「嘘の文化、嘘の政治、嘘の外交に転落し、このままでは必ず再び亡国の悲哀を避けることができない」、そして「ついにこの嘘は司法部まで浸透していきました。ひたすら事実に根拠し、正義の原則に従って剛直に裁判をしなければならないこの国の判事たちは、何が事実であり、何が嘘なのか見分けることができない中、デタラメな判決を下しました」、「この判決は当時日本製鉄で働いた朝鮮人労務者たちが奴隷として連れていかれ、奴隷として酷使されたという事実、言い換えると世界が憤り、時効を置かずに処罰する普遍的な反人権的犯罪の被害者であることを前提にしています。しかしながら、この前提自体が全く事実と違っています。多少荒っぽい言い方ですが、真っ赤な嘘だと言えます」、「韓国の種族主義はその国際感覚において不均衡です。日本の実態、日本の歴史、日本の文化を正確に知りません。日本を仮想の敵対種族と考えています。そんな低劣な国際感覚で、この国は行く道を失い迷っています」、「韓国を再び亡国の道へと陥れかねないこの反日種族主義を批判し、打破するために、その代表的事例を順を追って紹介する計画です」と述べておられます。

まさに命がけの決意であり、その覚悟が伝わってきます。文在寅政権は北朝鮮を中心とした南北統一を目指しています。文在寅大統領は南北の平和経済で日本を凌駕するとも語っています。かかる文在寅政権に命がけで対峙し、南の自由と民主主義を中心とした価値観で南北統一を成そうとする、この国民的な畝りに心から期待するものであります。

 

日韓問題について考える(6)。北朝鮮崩壊に備えよ。韓国政府・日本政府は備えはできているのか。

「中国が崩壊、共産党の一党独裁体制が消滅するとの予測を聞かされて『その通り』と頷ける人は少数派だろう。だが、現実の危機は急速に進行している。現在の政権トップの意図に関係なく、危機は進行を続けている」 。

「現在、中国の直面している経済危機は、決して止まることはない。その影響は、中国の対外路線の全面的な転換を強要する。具体的には『血の同盟』で結ばれているはずの北朝鮮の放棄である。中国からの無償支援に依存している北朝鮮は、その支援が打ち切られて存立する余地は全くない」 。

「 これまで中国は北朝鮮に対して金日成の時代から、正確に言えば朝鮮戦争が終了した年から、無償援助を続けてきました。年間、原油50万トン、無煙炭50万ン、トウモロコシを中心とした穀物50万トンを中国は北朝鮮に提供してきたのです。それが、今年に入って途切れる可能性が非常に高くなってきました。この無償援助は北朝鮮にとって『生命線』のようなものです。それが、途切れるということは北朝鮮にとって『死』を意味します」。

ソ連邦の崩壊をその6年前から予見された長谷川慶太郎氏は、今度は、今から5年前の2014年に出版された『朝鮮崩壊』という本の中で、中国経済の崩壊、共産党一党独裁体制の消滅を予測され、その結果北朝鮮は中国から見捨てられ、北朝鮮は崩壊すると預言しています。そして、韓国政府にはその対策の必要性を指摘しています。朝鮮崩壊の可能性は素人の私でも現実味を感じます。日本と韓国の指導者は朝鮮崩壊に対する備えは出来ているのでしょうか。