日韓問題について考える(35)。「慰安婦問題」の真実。長谷川慶太郎氏の意見に耳傾けたいと思います。

2014年9月に出版された『2015長谷川慶太郎の対局を読む』という本の中で慰安婦問題について触れている部分がありますので紹介したいと思います。第4章の「中国と韓国の超最新動向」という項目の中で語られた部分です。

従軍慰安婦の捏造記事を30年以上経ってやっと取り消した朝日新聞

「朝日新聞は2014年8月5日付の朝刊で従軍慰安婦についての過去の報道を検証する記事を掲載した。朝日は『済州島で200人の若い朝鮮人女性を“狩り出した”』という吉田清治氏の証言を1982年9月2日の大阪本社版朝刊社会面で取り上げて以来1990年代までに16回も報じてきた。しかし今回の検証記事では

吉田氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します。当時、虚偽の証言をに見抜けませんでした』としたのである。

しかし吉田証言は1992年の時点ですでに虚偽ではないかという疑問が各方面から強く指摘されたため、他紙は取り上げなくなったのだが、朝日だけは吉田証言を鵜呑みにして以後20年以上にもわたって記事化してきた。それらの報道は韓国の反日世論を煽ったばかりか、1996年の国連人権委員会のクマラスワミ報告でも引用され、慰安婦の強制連行があったとする誤解を国際社会に広げることになってしまった。さらに朝日の報道では慰安婦と女子挺身隊とを混同し、

1992年1月の紙面で『主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は8万とも20万とも言われる』

とする記事が当時の宮沢喜一首相の訪韓直前に掲載されたため、宮沢首相は日韓首脳会談で謝罪せざるをえなくなったのだ。しかもその記事は、慰安婦の募集・移送・管理の強制性を認めてお詫びと反省を表明した1993年8月の河野洋平官房長官談話にもつながってしまった。つまり、朝日の長年にわたる一連の従軍慰安婦報道は、まったく証拠がないのに朝鮮の若い女性を慰安婦として強制連行したという虚偽を振りまき、その結果、日本国の名誉を傷つけるとともに日韓関係をひどく悪化させる要因となってしまったのだ。・・・

ではなぜ今、朝日は従軍慰安婦報道の検証記事を書いたのか。

検証記事の中で朝日は『一部の論壇やネット上には“慰安婦問題は朝日新聞の捏造だ”といういわれなき批判が起きています。しかも、元慰安婦の記事を書いた元朝日新聞記者が名指しで中傷される事態になっています』と書いて、そうした批判を払拭するために検証記事を出したという体裁をとってはいるものの、本当はそうではない。

検証記事は一種のアリバイづくりのためなのだ」。

以上です。

朝日新聞が従軍慰安婦に関する捏造記事を取り消したのはアリバイづくりのためだと長谷川慶太郎氏は言われます。では、朝日新聞は何のためのアリバイづくりをしたのだろうか。

日韓問題について考える(34)。「中国は北朝鮮を捨てる」長谷川慶太郎氏

緊迫の度を深める朝鮮半島情勢について考えてみたいと思います。そして今一度長谷川慶太郎氏の『予言 』である「中国は北朝鮮を捨てる」について考えます。この『予言』は、2020年3月発売の本『中国は民主化する』に収録されています。詳しくはこの本をご覧ください。

北朝鮮はいらない

「中国にとっての北朝鮮とは、民主主義国家との緩衝地帯です。ですので、中国が共産主義国家でなくなればいらなくなります。民主化を成し遂げれば中国は、不要になった北朝鮮を切り捨てるでしょう。そうなれば北朝鮮は消滅し、その後は韓国が主導して朝鮮半島を統一すると思います」

中国は北朝鮮を助けない

「朝鮮半島統一となれば、北朝鮮の社会資本–鉄道、通信、発電所、上下水道など–を、すべて作り替える必要があります。でも北朝鮮の鉄道を修復するだけでも何兆円もかかると言われています。しかし中国は、ここで北朝鮮を助けないと言っています。そもそも他国の面倒を見るような余裕が今の中国にはないのです」

金正恩追放はすでに決まっている

2016年2月、「中国の王毅外相に対して、アメリカ政府は北朝鮮制裁を打ち出したのです。その制裁を中国は遵守すると約束しました。ここの一番のポイントは北朝鮮と取引をしている中国企業に対する制裁です。具体的には北朝鮮と取引している企業には、中国の四大国営銀行が融資をしないことが原則となります。そしてこの原則を王毅外相はのんだのです。北朝鮮はこれによって経済的な後ろ盾を失いました。つまり金正恩体制の崩壊は秒読みだということです。近い将来、北朝鮮では食べられなくなった国民が暴動を起こすでしょう。その動きを金正恩は抑え込むことができません。なぜなら暴動を鎮圧すべき北朝鮮の軍隊は、金正恩の命令に従わないからです。むしろ軍が国民の暴動に同調することが予想されます。その時中国は、事態を収束させるために人民解放軍を出動させることになるでしょう」

国境沿いに機械化部隊を配置

「北朝鮮と中国の国境沿いに流れている鴨緑江の沿岸に、中国人民解放軍は機械化部隊を展開しています。・・・中国は北朝鮮有事の際、いつでも作戦行動が取れる態勢を整えているのです。・・・人民解放軍が侵攻すれば、半日で平壌、北朝鮮を制圧できます。朝、9時に行動を開始したら、昼には平壌に中国国旗が揚がります。そして北朝鮮は中国が支配することになります。ただし進駐軍はすぐに中国に戻り、北朝鮮は金一族以外の実力者が運営していくものと予想されます」

誰が飢えた国民を食べさせるのか

「北朝鮮が崩壊したのち、金正恩の後継者は誰になるかわかりません。しかし中国は、新しい北朝鮮を統治できないでしょう。なぜなら中国はその負担に耐えられないからです。新しい朝鮮統一国家は北朝鮮国民2520万人を食べさせなければなりません。でも新しい政権ができたからといって、北朝鮮の深刻な食糧不足がすぐ解決するはずがありません。では当面どうするか。他国から緊急に支援してもらう以外にありません。しかし北朝鮮に無償で大規模な食糧援助をするほど余裕のある国家は、どこにあるのでしょうか。・・・援助ができる国はただ一国、日本です」。

さらに難民問題も課題となってきます。日本も韓国も今後の国際情勢の展開を見抜いて、それに備えなければなりません。猶予はありません。