アメリカで何が起きているのか?(18)。「反米アメリカ人」ー青山学院大教授・福井義高

 10月24日の産経新聞6面に掲載された青山学院大教授・福井義高氏の「反米アメリカ人、マルクス主義の影響か、それとも・・」と題する寄稿文より一部分を紹介させて頂きました。詳しくは原文をお読み頂きたいと思います。

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米国社会の変容には驚かされる。一言で言えば「反米アメリカ人」の台頭、自虐史観の浸透である。これまでも米国では、社会の現状に対する厳しい批判が行われてきた。しかし、そこで批判される事象は、自由やデモクラシーなど本来の米国の在り方からの逸脱という捉え方であり、建国以来の米国の理想に近づくべく、改革せねばならないという、ある意味、建設的批判であった。

ところが、人種差別や性差別などを糾弾する「ウオークネスwokeness 」(「社会的公正への目覚め」とも訳すべきか)が席巻する今日の批判は質的に変化したものとなっている。米国社会はもとから不正にまみれた不公正な社会であり、構造的な変革が必要だという問題意識に基づき、これまでの米国のあり方を全面的に否定するものとなっているのだ。

米国ではこれまで、日本や欧州と違い、国民が愛国者であることが当然視されてきた。その米国で、こうした自国の在り方や歴史を否定するような主張が一部の奇矯な人々に限らず、リベラル主流派でも受け入れられつつあるというのは、驚くべきことだ。学校教育でも、構造的人種差別の背景にあるとされる「白人の特権」(white privilege)が強調され、白人は子供の時から自らの「原罪」の克服を強いられる事態となっている。

アメリカ社会のこのような大きな動きとして、ニューヨーク・タイムズが進める「1619プロジェクト」と「批判的人種理論を紹介しています。

【NYタイムズ紙の1619プロジェクト】とは

米国史の原点は英国からの正教徒移住や独立ではなく、奴隷貿易が始まった1619年とすべきだ。すべての白人が白人至上主義者であり、その精神構造を根本的に変革せねばならないという主張。

1619とはアフリカ黒人奴隷がはじめて米国独立前のバージニア植民地に連れてこられた年。ニューヨーク・タイムズ紙は、米国の「真の建国」は1619年だとし、米国史は黒人迫害を軸に展開してきたという。1776年の米国独立の主要な動機の一つは奴隷制維持だったとまで断じている。歴史学会のみならず米国社会に賛否両論の波紋を広げている。

 【批判的人種理論】とは

黒人に対する法的差別は完全に撤廃されたにもかかわらず、半世紀以上たった今日においても、各方面での白人と黒人の著しい格差は残ったままである。・・・格差が継続しているのは、表面上の平等とは裏腹に「構造的」不平等・不公正が社会にビルトインされ、実質的な機会の平等が達成されていないからだと。BLM運動の背景にある、流行の「批判的人種理論」のエッセンスといってもよい。

朝鮮半島で何が起きているのか?(8)。李ウヨン氏、徴用工「韓国内で解決可能」

 「反日種族主義」の共同著者である李宇行(氵が中に入る、イ・ウヨン)氏は、日韓で課題になっている徴用工問題について、10月29日の産経新聞紙上で次のように語っています。

韓国は盧武鉉政権当時、徴用工問題の責任は韓国政府が負うとの見解をまとめている。このことからも李氏は、リーダーシップのある政治指導者が現れ、「日本にこれ以上、要求せず、この問題はわれわれが解決しよう」と決意を示せば、国民も理解するはずで、解決は可能だと展望する。

具体的には、

1965年の日韓請求権協定に伴う日本からの経済支援の恩恵を受けた韓国企業を中心に財団を作って賠償の支払いを担う方法が「現実的だ」と提案する。

徴用工問題の事実関係について、李氏は

無理やり連れ去られ、銃を持つ日本軍兵士の監視の下、自由を奪われて奴隷のように酷使されたー。徴用工について韓国社会に広まったこうした虚像が判決の前提になっているという。李氏は「判事にとって何が事実かより、判決時点で最も多数が支持する主張の方が重要だ」と指摘する。判決は徴用を韓国併合という「不法」状態の延長線で行われた強制労働という不法行為と位置付けたが、李氏は、併合は合法的に行われ、徴用も法的手続きに従ったものだと反論する。

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