中国共産党政府との関係を見直そう(106)。ポンペオ米国務長官「中国共産党から自由を守ることは私たちの時代の使命である」

令和2年7月23日のポンペオ米国務長官の演説要旨(7月25日の産経新聞より)。

「来年はキッシンジャー氏の極秘訪中から半世紀を迎え、ニクソン大統領による訪中の50周年となる2022年も近い。当時の世界は大きく異なっていた。われわれは中国への関与が未来を生み出すと考えていた。しかし今日、(新型コロナウイルスに関し)中国共産党のせいで、われわれはまだマスクをつけている。中国に無分別に関与していくという古い枠組みは失敗した。そうした政策を続けてはいけないし、それに戻ってもいけない。米経済と米国的な生活様式を守る戦略が必要だ。自由世界は新たな専制国家に打ち勝たなくてはならない。米国や他の自由主義国による政策は、後退しつつあった中国の経済を復興させたが、中国政府はその国際社会の手に噛み付くだけだった。中国は米国の極めて重要な知的財産や企業機密をだまし取った。

私は数週間前、ハワイ・ホノルルを訪れて中国の楊潔篪共産党政治局員と会ったが、彼らが行動を変えるとの申し出はなかった。習近平国家主席は破綻した全体主義思想を心から信じている。中国政府の行動はわれわれの国民や繁栄を脅かしている。中国を普通の国家として扱うことはできない。米国はスパイ活動や知的財産の窃盗の拠点だったテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を発表した。今こそ自由主義国が行動する時だ。各国が自由の主権や経済的繁栄などをどう守るかに思いを致す必要がある。われわれは過去の過ちを繰り返してはいけない。

(中国への対処という)課題に1カ国で立ち向かうことはできない。国連やNATO、G7、G20、われわれの経済や外交、軍事力を組み合わせれば十分に対処できる。民主主義国家による新たな同盟を構築するときだろう。自由世界が中国を変えなければ、共産中国が私たちを変えてしまう。中国共産党から自由を守ることは私たちの時代の使命である」

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 日本経済新聞によれば、ポンペオ国務長官の発言は以下の通りです。

「私たちが共産主義の中国を変えなければ、彼らが私たちを変える」「習近平総書記は全体主義のイデオロギーの信奉者だ」「共産主義に基づく覇権への野望がある」「自由主義諸国が行動する時だ」「米国がやったように互恵性と透明性、説明義務を迫らないといけない」「欧州、アフリカ、南米、とくにインド太平洋地域の民主主義国家の尽力が必要だ」「経済、外交、軍事力を適切に組み合わせれば、脅威に十分対処できる」「中国が変わらなければ世界は安全にはならない」「(中国に門戸を開いたことで)フランケンシュタインをつくってしまったのではないかと心配している」「中国に関して言うならば『信頼するな、そして確かめよ』になる」「中国共産党はソ連と同じ過ちを繰り返している」「『封じ込め』ではない。私たちがかつて直面したことのない複雑で新しい挑戦だ」「世界の自由国家は、より創造的かつ断固とした方法で中国共産党の態度を変えさせなければならない」「あるNATO同盟国は中国政府が市場へのアクセスを制限することを恐れている」「中国は貴重な知的財産や貿易機密を盗んだ。米国からサプライチェーンを吸い取り、奴隷労働の要素を加えた。世界の主要航路は国際通商にとって安全でなくなった。対話は続ける。しかし最近の対話は違う。私は最近、ハワイで楊政治局員と会った。言葉ばかりで中国の態度を変える提案はない。相変わらずの内容だった。楊の約束は空っぽだった。彼は私が要求に屈すると考えていた。私は屈しなかった。トランプ大統領も屈しない。習近平国家主席は、破綻した全体主義のイデオロギーの真の信奉者だ。中国の共産主義による世界覇権への長年の野望を特徴付けているのはこのイデオロギーだ。中国を他国と同じような普通の国として扱うことはできない。中国との貿易は、普通の法に従う国との貿易とは違う。中国政府は、国際合意を提案や世界支配へのルートとみなしている。中国の学生や従業員の全てが普通の学生や労働者でないことがわかっている。今週、我々はヒューストンの中国総領事館を閉鎖した。スパイ活動と知的財産窃盗の拠点だったからだ。南シナ海での中国の国際法順守に関し、8年間の(前政権の)侮辱に甘んじる方針を転換した。自由主義諸国が行動するときだ。全ての国々に、米国がしてきたことから始めるよう呼びかける。中国共産党に互恵主義、透明性、説明義務を迫ることだ。自由世界が共産主義の中国を変えなければ、中国が我々を変えるだろう」

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