今、注目の共産主義について考える(103)。中国共産党・習近平氏に忠誠を誓う中国企業。
産経新聞に掲載された「矢板明夫の中国点描、忠誠誓う企業家 戦々恐々」と題する記事より。
近年の中国では「経済に対する管理を強化する習指導部によって、起業家が逮捕、拘束されることが急増している。5月10日、中国の保険大手、安邦保険集団の元会長で、詐欺罪などに問われた呉小暉氏が、懲役18年という判決を言い渡されたことは大きな衝撃となった。企業の財務内容を偽って公表させ、金融商品を違法販売して資金を集めたことなどの罪が問われたが、呉氏は最後まで無罪を主張し続けた。かっての最高実力者の鄧小平の孫娘と結婚し、中央政界に太いパイプがある呉氏が、米国などでホテルなどを買収し続け、中国財界の代表のように振る舞い、目立ちすぎて習氏の逆鱗に触れたことが失脚原因の一つともいわれる。『政治的にもっとも安全な人』ともいわれた呉氏が投獄されたことで『自分もいつやられるかわからない』という不安が中国の経済界に広がった」という。
習近平政権は「『共産党の輝かしい業績』 を理解するために、全国の公務員や学生らに対し、延安(革命の聖地)への旅行を推奨」しているという。これを受けて中国の著名企業家は「共産革命時代のゲリラ部隊の軍服をまとって、かって毛沢東らが1930年代に悪戦苦闘していた跡を見学」しているとういことです。革命の聖地延安を訪問することで「党に対しての忠誠心」を示し、呉氏の二の舞になることを回避しようと考えてのことでしょう。