大阪維新の会大阪市会議員団は11月22日、吉村市長に「リー市長が慰安婦像公有地化に関する議案を受け入れた場合、サンフランシスコ市との姉妹都市解消に向けて動くこと」との、申し入れを行いました。
吉村市長様 平成29年11月22日
大阪維新の会大阪市会議員団
サンフランシスコ市と本市における慰安婦像公有地化に関する対応についての申し入れ
サンフランシスコ市議会において、市民団体が市内に立てた慰安婦像の寄贈を受ける議案が平成29年11月14日に全会一致で可決された。今月24日はエドウイン・リー市長が議案を受け入れるかどうかの期限である。リー市長が議案を受け入れれば、慰安婦像は市有化されることとなる。市有化が実行に移されれば、米国で公有地に慰安婦像が設置されるのは韓国系団体が主導したカリフォルニア州グレンデール市とジョージア州ブルックヘブン市に続き、3例目となり姉妹都市の歴史に汚点を残すことになる。
慰安婦問題に関しては、平成27年12月に日韓両政府において、日本が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけたとして責任を表明し、この問題を最終的かつ不可逆的に解決すること、そして今後国際社会において互いに非難・批判することを控えることで合意したところである。
しかしながらサンフランシスコ市において慰安婦像及び碑文を設置し、それに合わせて慰安婦の日を制定することは、この合意の精神を傷つけるものであると言わざるを得ず、姉妹都市の議会人として看過できるものではない。
公有地にこのまま慰安婦像及び碑文が設置され、慰安婦の日が制定されたままであるなら、日本人および日系人が多く住むサンフランシスコ市にとってもコミュニティ分断の原因にもなりかねない。慰安婦の日を制定する決議案の提案理由には、日本の慰安婦制度が人身売買への道を切り開いた等、事実に反するものが散見される。両市の間に誤った認識に基づいた関係が構築されるばかりでなく、それが国際的に認知されることにもつながりかねない。
本件について、平成29年11月17日付けの読売新聞社説では「サンフランシスコ市と姉妹都市提携を結ぶ大阪市の吉村洋文市長は『慰安婦像の受け入れ強行は、信頼関係を損ねる』と、懸念を表明した。提携解消の意向も明言した。うなずける対応だ」と肯定の意向を示している。また、平成29年11月21日、安倍首相は日本維新の会の馬場信幸幹事長が行った衆議院代表質問に対する答弁で「我が国政府の立場と相いれず、極めて遺憾」と述べ、サンフランシスコ市長に、議案執行への拒否権を行使するよう政府として申し入れたことを明らかにした。
大阪維新の会市会議員団としても、外務大臣に対し、日本国外務省を通じ慰安婦像の公有地における管理をやめ、慰安婦の日を撤回するようサンフランシスコ市に求めるとともに、慰安婦問題にまつわる様々な事柄が報道機関や一部ジャーナリストによる捏造であったことをサンフランシスコ市に伝えて普及啓発に努めることを求めた。
サンフランシスコ市との友好の歴史は昭和32年に姉妹都市協定を締結して以来、60年の長きにわたり、両市代表団の相互訪問など交流を深めてきた。直近では、平成27年10月に友好都市提携特別展を大阪市役所にて開催し、平成28年7月にはサンフランシスコ高校生アンバサダーが来阪され、また平成28年8月には、市長が世界のイノベーションを牽引するシリコンバレーを訪問し、サンフランシスコ市との連携強化を図るなど、着実な相互交流によって絆を深めてきた経緯がある。姉妹都市提携60周年を迎える記念すべき本年を契機に、我々としても将来にわたってさらに良好な信頼関係を構築していきたいと切に願うところである。
しかしながら、前橋下市長の時代から再三にわたり書簡を送り、吉村市長におかれても議案の可決前にリー市長に対して面会を求めてきたにもかかわらず、慰安婦像公有化の動きがここまで進展してしまったことは誠に遺憾である。本市としても国としてもやるべきことは尽くしてきた。
その上で、慰安婦像公有地化に関わる議案をリー市長が受け入れることは、これまでの友好関係をないがしろにするものであり、議員団としても到底受け入れられるものではない。リー市長には、真摯に吉村市長の言葉に耳を傾けて姉妹都市の市長としての誠意ある対応を求め、吉村市長に対しては以下の事項を申し入れる。
・リー市長に対して、慰安婦像公有地化に関する議案執行への拒否権行使を求めるメッセージを引き続き発信すること。
・リー市長が慰安婦像公有地化に関する議案を受け入れた場合、サンフランシスコ市との姉妹都市解消に向けて動くこと。
・サンフランシスコ市のみならず世界に向けて日本の名誉を守るべく引き続き国への働きかけなどの取り組みを継続すること。
以上、申し入れとする。