大阪市営交通事業の民営化について考える(6)橋下前大阪市長の発言より

「僕は、自民党の皆さんと大阪を成長させるというところは、思いは一緒だと思うんですけれども、そうであれば、東京があれだけ都市インフラの整備にどんどん走っている中で、大阪もやっぱりやるべきことはやらなきゃいけないと思うんです。そのためには、やはり地下鉄の民営化の株というものを使いながら、今まで市民の皆さんが地下鉄に投入していた資本を回収して、新たな都市インフラの整備に努めていく。これが大阪の成長戦略の一番重要なところかと思っています。」「パッケージ案では、株式の分割の仕方について、特別区に均等に配分することとして提示をしています。・・この大阪市営地下鉄、交通局が民営化されたときの株は、基本的にはこれは特別区が保有するということです。また、民営化の議論の中で、・・業務の効率性だけを今まで効果としてパッケージ案では示してきましたが、やはり保有する株のストックの価値というのもの、これは一番の民営化のメリットでありまして、かつて大阪市役所内で検討されていたときには、数千億円の株式価値になるという議論もあったかと聞いております。それを各特別区に均等に配分されるということになると、地下鉄の民営化によって、各特別区が数百億円から1千億円単位の間で、さらにそれ以上になるかもわかりませんが、それだけの株式を保有するという非常にメリットのある話になると思っています。」(平成25年9月第三回定例会)

大阪市営交通事業の民営化について考える(5)橋下前大阪市長の発言より

「公営だからこそ担えた役割・使命があるはず、それはおっしゃるとおりです。おっしゃるとおりなんですが、民間だからもっとできたことが公営だからできないということもたくさんあります。だから、公営だからメリットがあるじゃないかという話しだけでなく、公営だからのデメリット、これがはるかに大きいから、国鉄なんかもJRになってきたと。国の公社についても民営化ですね。事業がある程度軌道に乗れば、公営のメリットよりもデメリットのほうが大きいというのは、これは普通の感覚であれば皆が理解できるところかなと思っております。それから、ネットワークの問題についてはおっしゃるとおりであります。鉄道ネットワークの整備、これは大阪の都市力を強化するため、また関西圏の広域的な視点で考えたとしても、ネットワークの整備についてはもちろん重要なことでありますが、一番重要なことは、具体策については政治が口を出さないこと、これに尽きます。・・・・ですから、一番大切なことは、方針を決めるー大阪の都市力強化、関西圏の強化のためには鉄道ネットワークが必要なんだというところを、もし議会の皆さんできちっとこういうかたちで方針を決めていただければ、あとは経営のプロに事業は任せると。今、交通局長1人が民間から入ってきた人材ではありますけれども、本来では取締役を含め鉄道のプロ集団、経営のプロ集団が入った経営ということをやります。もちろん交通局の職員も一生懸命交通事業をやっていますけれども、純粋な交通事業の経営ということではなくて、どうしても政治対応、そういうところに追われるところがある。これは交通局で藤本局長から話を聞きましたけれども、議会対応をするための職員といいますか、その労力というものも、これは民間企業ではありえない、びっくりしたという話も聞いております。決して議会対応をおろそかにするということではなくて、そういうことに民間の企業体というものは力を余り注がなくてもいい環境にある。だから鉄道事業に集中できる。周囲の私鉄とこれからしっかり鉄道ネットワークを形成していくためにも、早く純粋な民間の経営感覚でもって鉄道事業の経営ができるような環境を整えてあげることが我々の使命ではないかと思っております。それと同時に、市民の足を確保する、市民サービス、公の税金を使ってでも確保しなければならない部分については、我々公選職が責任を持ってやっていくべきかと思っております。」(平成24年9月第三回定例会)