アメリカで何が起きているのか?(20)。「米国はもう人種差別の国ではないことは黒人の私の成功を見ても明白だ」(バージニア州・シアーズ副知事)
バージニア州の副知事選挙で共和党黒人女性のウインザム・シアーズ氏が民主党の対抗馬に勝利し当選しました。(知事選も共和党のヤンキン氏が勝利)
11月7日の産経新聞一面に掲載された古森義久氏の『あめりかノート 民主に難敵 黒人副知事誕生』によれば、
・シアーズ氏は同州の歴史で初めての黒人女性の副知事。現在57歳のシアーズ氏はジャマイカ生まれで、両親に連れられて6歳で米国に移住した。20代の頃には米海兵隊に4年近く勤務した。一般社会では救世軍での社会福祉活動から電気器具修理業などを経て、バージニア州議会で下院議員も務めた。
・シアーズ氏は共和党の本格保守派で、2020の大統領選では「トランプ再選共和党黒人委員会」の全国委員長を務めた。今回の副知事選挙でもトランプ氏への熱い支持を表明し、「トランプ氏は人種差別主義者ではない」というような言明を続けた。
・シアーズ氏が今回のバージニア州の選挙で最も激しく反対したのはリベラル派が広げる「批判的人種理論(CRT)」だった。CRTとは米国という国家は過去も現在も根本的に黒人差別、白人優先の構造だとしてその根幹からの再建を求める主張である。保守派はこの主張は米国の建国の精神に反し、個人の競争を抑え、人種間対立を煽るとして反対する。
・シアーズ氏は「米国はもう人種差別の国ではないことは黒人の私の成功を見ても明白だ」と主張し、その反対運動の先頭に立ってきたのだった。
そして古森氏は
この異色の黒人副知事の登場は米国の今の国政でのトランプ支持層のなお衰えない勢いをも示すとも言えそうだ。
と締めくくっています。